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大珍品が出た!現行の50円玉が「64万円」に大化け! 誰でも持っている硬貨が高額落札されたのはなぜ?

現行の50円玉が64万円という高額で取引された出来事がありました。そのポイントは「穴のずれ方」にあります。本来の位置から穴がずれていればいるほど高値になる傾向にあるのですが、今回落札された50円玉の穴のずれは極めて珍しいものです。※画像:PIXTA(画像はイメージ)

伊藤 亮太

伊藤 亮太

株式・ファイナンシャルプランナー ガイド

ファイナンシャルプランナー(CFP®)

慶應義塾大学大学院商学研究科修士課程修了。その後証券会社にて、営業、経営企画部門等を経て、独立系FP会社「スキラージャパン株式会社」設立。ファイナンシャル・プランナーとして、家計簿診断などのライフプランニング、資産運用、保険の見直しなどの相談を行う。執筆・講演も金融機関をはじめ多岐に渡る。

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現行の50円玉が64万円で高額落札!? 一体なぜ? ※画像:PIXTA(画像はイメージ)

現行の50円玉が64万円で高額落札!? 一体なぜ? ※画像:PIXTA(画像はイメージ)

キャッシュレス時代と言われていますが、いまだに現金を使うことも少なくありません。もし、普段使っている50円玉が64万円(手数料込みで74万5600円)になったと聞いたら、キャッシュレス決済よりも現金を使ってレアコイン探しを楽しみたくなるかもしれません。

実はその50円玉は、2025年10月11日に終了した第125回入札誌「銀座」で落札されたのです。現行の50円玉ではありますが、誰が見ても一目瞭然、ある部分が明らかにおかしいのです。

エラーコインの中でも特に貴重な大珍品

64万円に大化けした50円玉 ※画像:第125回入札誌「銀座」 Lot番号:439 50円白銅貨 昭和50年 穴ズレエラー PCGS(MS65) ※ケース少曇り有り

64万円に大化けした50円玉 ※画像:第125回入札誌「銀座」 Lot番号:439 50円白銅貨 昭和50年 穴ズレエラー PCGS(MS65) ※ケース少曇り有り

今回落札された50円玉は、昭和50年のもの。穴の位置が中心から大きくずれています。本来空く穴の大きさ1個分ほどずれています。ここまで穴がずれているのは珍しく、エラーコインの中でも“大珍品”といってもいいでしょう。

一般的にエラーコインは、世に出回る前に造幣局によって不良品として回収されます。しかし、特に現行貨幣の中でも昭和時代のような比較的古いコインには、エラーコインが出回っていることも決して珍しくありません。今回落札された50円玉ほどのエラーはあまりないものの、穴が数mmずれているといったエラーコインであれば、探せば見つかる可能性があります。

なお、現在は当時よりも技術が向上しているため、今回落札されたようなエラーコインが出回ることはほとんどないといってもいいでしょう。そのため、令和より平成、平成より昭和のコインのほうがエラーを見つけやすいのです。

落札された50円玉は、コイン鑑定機関PCGS(Professional Coin Grading Service:世界でも評判の高いアメリカの第三者格付け鑑定会社)により“65”の評価を得ています。70段階のうち65という評価は、完全未使用品レベルです。発行から50年も経過していますが、65評価ということは、当時流通してすぐに発見され、大切に保管されていたのではないかと思われます。このような評価も、高額落札された理由の1つといえるでしょう。

1mmずれているだけでも価値は高まる

「昭和の硬貨を探せと言われても、完全未使用品なんて無理ですよね?」確かに、基本的には難しいでしょう。ただし、古い金庫の中にしまわれているお金や、昔祖父が集めていたコインなどがあれば、見つかる可能性もあります。

また、今回落札されたような大きな穴のずれ方はないにせよ、数mmずれているものは偶然発見できることもあります。第125回入札誌「銀座」では、穴が2~3mmずれた昭和56年の50円玉が8万4000円(手数料込みで9万7860円)で落札されています。穴がほんの少しずれているだけでも、額面の何百倍~何千倍の価値が付くことも十分に考えられます。

なお、新しい時代のエラーコインほど高値が付く傾向にあります。技術も発達したため、エラーコインはないだろうと思われても、ごくまれに出回ることがあるのも事実。お釣りをもらった時などに気にして確認する癖もつけておくと、思わぬお宝を発見できるかもしれません。

<参考>
第125回入札誌「銀座」 Lot番号:439 50円白銅貨 昭和50年 穴ズレエラー PCGS(MS65) ※ケース少曇り有り

>次ページ:64万円で落札された「実際の50円玉」を見る
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