中学受験

塾の先生の名前を知らない!? 中学受験で成績が伸びない家庭の「もったいない」関わり方5つ

中学受験のため塾に通わせているのに、子どもの成績が伸び悩んでいる……その原因は塾の活用法にあるかもしれません。塾を最大限に活かせていない家庭の5つの共通点と、改善のヒントを紹介します。※サムネイル画像:PIXTA

All About 編集部

塾の先生の名前、把握していますか? 中学受験で成績が伸びない家庭は、塾と「もったいない」関わり方をしているかも。※画像出典:PIXTA

中学受験で成績が伸びない家庭は、塾との関わり方に共通点が!? 画像出典:PIXTA

同じ塾に通い、同じ授業を受けているのに生まれる成績の差。その原因は、親の「塾との関わり方」にあるかもしれません。

「まだ伸びる!」をあきらめない 中学受験 子どもの成績の本当の伸ばし方』(ユウキ先生著)では、自身も保護者として中学受験を支えた経験を持つ塾講師の筆者が、中学受験で成果を出すために大切な「親の関わり方」や具体的な学習法について解説しています。

本書から一部抜粋し、今回は、塾を最大限に活用できていないため成績アップの機会を逃している家庭の5つの特徴を紹介します。
<目次>

塾をうまく使えていない家庭には「5つの特徴」がある

現在通塾中の家庭は、塾をもっと活かせるように日頃の塾との関わりを見直していくことが重要です。

中学受験の成功は、「塾という環境をどれだけ使いこなせるか」にかかっています。同じ塾に通っているのに、成績が伸びる子と伸びない子がいますが、その差は、実は塾の活用の仕方にあることも多いのです。

では、塾を活用できていない家庭には、どのような特徴があるのでしょうか?

1. 保護者が各教科の先生の名前を知らない

塾に通い始めて半年以上経っても、各教科の先生の名前を把握していない家庭があります。先生の名前が分からないということは、その先生がどんな指導スタイルで、どんな授業内容で進めているかを把握していないということです。実際、先生と親が顔を合わせて会話をしたことがないというケースも少なくありません。

まずは担当ではなくても塾の先生と会話をする機会を持ち、宿題や授業の方針などについて理解を深めてください。

授業でのつまずきを解消するには、先生との会話が必要不可欠です。非常勤の先生の場合は、出勤日を事前に確認して一度は顔を合わせることがおすすめです。

2. 塾のシステムを理解していない

「成績が伸び悩んだとき、誰に相談すればいいのかわからない」という声をよく聞きます。塾には、クラス担任講師・教室長・受付担当者など、それぞれ役割があります。

・教材や授業内容の相談なら、各教科の担当講師
・学習進度や成績の悩みなら、クラス担任講師や教室長
・講習会の申し込みや欠席連絡なら、受付スタッフ

このように相談先を明確に把握し、遠慮なく相談していくことが重要です。

また、受付担当者は講師ではありませんが、子どもを見守るスタッフの1人です。受付担当者が生徒の名前を覚えて声をかけてくれたりするような文化のある塾なら、「面倒見が良い塾だな」と私は思います。

3. 保護者会や面談に参加していない

保護者会や面談は、ただ参加して話を聞くだけの場ではありません。子どもの塾での様子や、塾が今後どんな方針で進めていくのかを把握する絶好の機会です。

成績が安定して伸びているご家庭ほど、この機会を積極的に活用し、先生に具体的な質問を投げかけている印象があります。

保護者会に参加していないと、「今、自分の子が何をすればいいのか」「このままの進度で大丈夫か」といった情報が曖昧なままになります。ぜひ積極的に参加して、塾の考え方を理解してください。

これも経験談ですが、成績が下位のクラスほど保護者会の参加率が低く、上位クラスは保護者会の参加率が高かった印象です。

正直、保護者会は参加をしてもらわないと塾側の意図が伝わらず、家庭と塾の連携が難しくなります。

どうしても参加できない場合でも最近では、保護者会もオンライン開催・録画配信をしてくれる塾も多いようですから、できるだけ視聴し、疑問点や確認点は電話などで確認しましょう。

4. 教材の目的やレベルを把握していない

教材にはそれぞれ目的があります。

・授業用(例題中心の理解を深める教材)
・宿題用(定着度を確認する演習用の問題集)
・発展用(応用・難問演習用テキスト)

これらの違いや位置付けを把握しないまま、「とりあえず宿題に出たものをやればいい」となっている家庭は要注意です。

どのレベルの教材をどこまでやり込めば成績が伸びるのかを意識できれば、家庭での学習の質が一段と向上します。

まずは子どもの教材を一度じっくり見直し、「これは何を目的とした教材か」「どこまで完璧にすればよいか」を理解することが大切です。

5. 塾に対して遠慮がち

「うちの子は成績があまり良くないから……」と、塾に対して遠慮しがちな保護者の方がいます。しかし、塾は成績の良い子だけを歓迎しているわけではありません。

むしろ、成績が伸び悩んでいる子どもの家庭ほど、積極的に相談に来てほしいと考えています。実際、私が塾講師をしていた頃も、成績が伸び悩んでいる子どもの家庭が熱心に相談に来てくれたことで、短期間で劇的に改善できたケースは数えきれません。

これらの5つのことを意識的に取り組むことで、塾を単なる「通う場所」ではなく、家庭学習を支え、親子をサポートしてくれる「頼れるパートナー」として活用できるようになります。

ぜひ今日から実践してみてください。
  ユウキ先生 プロフィール
三浦祐輝。中学受験スリースターズ代表講師。2006年より関東の大手進学塾にて算数の講師を担当、数多くの合格者を輩出。現在は「中学受験スリースターズ」を運営し、SNSなどを通じて算数の解説動画や学習法を発信するほか、全国の受験生や保護者への個別相談やサポートを行う。自身も保護者として子どもの中学受験を支えた経験を持ち、指導者・保護者という両面からの具体的かつ実践的なアドバイスで多くの支持を集めている。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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