無料でもらったものを出品することは禁止行為ではないが……
まず、無料でもらったものを出品することは、メルカリの規約で禁止されていません。実際、金融機関の封筒も禁止品には含まれておらず、規則違反とは言えません。そのため、封筒の転売をメルカリ側が規制することは難しい状況ですが、「それってどうなの?」という疑問や批判の声が多いのも事実です。また、金融機関は封筒をフリマアプリで売られることを想定して設置しているわけではありません。必要以上に多くの封筒が持ち帰られると、本来の目的で利用したい人の手に渡らなくなります。その結果、金融機関や利用者が困ってしまう可能性があります。
無料の封筒を出品する理由は「小銭稼ぎ」?
メルカリで「封筒 銀行」と検索すると、ゆうちょ銀行、JAバンク、ローソン銀行、セブン銀行、地方銀行など様々な金融機関の封筒が見つかります。いずれも未使用品で、まとめ売りが多く、50枚で300円、150枚で360円といった価格で売られています。ただし、実際の利益は大きくありません。例えば40枚を300円で売った場合、メルカリの販売手数料30円と送料が差し引かれるため、利益は100円程です。しかし、これを10回繰り返せば約1000円の利益になり、仕入れが無料でリスクもないため、地道な「小銭稼ぎ」を目指す人にとって魅力があるのでしょう。
無料でもらえる封筒なのに、なぜメルカリで買う?
それでは、購入者はなぜ無料の封筒をわざわざお金を払ってまで買うのでしょうか。主な理由は2つ考えられます。1:事務用途で大量の封筒が必要
1つ目は、事務用途などで大量の封筒が必要な場合です。例えば、複数の人に現金を分配したり、ちょっとしたメッセージを渡す時などです。ただし、一般的な茶封筒(100枚入り)は約130円で市販されているため、コスト面では市販品の方が安上がりです。それでも「金融機関の封筒」が必要な何か特別な理由があるのでしょう。
2:封筒コレクション
世の中には様々なものを集めるコレクターがいます。金融機関の封筒もその対象になっているのかもしれません。 封筒の入手が難しい場合もあります。都市銀行やローソン銀行、セブン銀行の封筒なら比較的誰でも入手できますが、地方銀行の封筒は、その銀行がない地域の人にとって手に入れるのが難しいでしょう。無料の封筒は一般的に販売されていませんし、オンラインストアでも入手できません。
したがって、わざわざ遠方まで取りに行くよりも、メルカリで数百円を支払って手に入れた方がずっと効率的というわけです。また、既に配布が終了した封筒は、個人が大事に保管していたものだけが流通します。 中には、「コラボ封筒」という、限定デザインの封筒もあります。例えば、ローソン銀行では「ドラゴンクエストX オンライン」とのタイアップをしていた時期、ATMに置かれる封筒も期間限定デザインになっていました。ゲームファンなどにとって特別なアイテムであり、10枚で約800円という高値で取引されたこともあったようです。
無料で提供されるものは適度に使うのがマナー
金融機関の封筒をはじめ、アメニティやサンプル、無料配布のフリーペーパーなど、「無料でもらえるもの」は世の中に多くあります。しかし、これらは本来販売目的で配られているわけではなく、店舗や企業のサービスとして提供されています。そのため、必要以上に持ち帰ってしまうと、提供元に迷惑やクレームが発生することもあります。特に転売を目的とした買い占めで、本当に必要な人が使えなくなるのは望ましくありません。無料で提供されているものは、多くの利用者のために用意されています。利用する際は、必要な分だけ持ち帰ることを心がけ、マナーを守って利用しましょう。