多くの家庭で食料費は家計支出の約3割を占めています。そう考えると、冷蔵庫は「もう1つの財布」と言えるかもしれません。
今回は、「貧乏冷蔵庫」と「お金持ち冷蔵庫」の違いを見ながら、どうすれば“もったいない冷蔵庫”から“お金と食材を守る冷蔵庫”へ変えられるのか、そのポイントをまとめます。
「貧乏冷蔵庫」と「お金持ち冷蔵庫」の違い
まずは、「貧乏冷蔵庫」と「お金持ち冷蔵庫」その違いを見てみましょう。●「貧乏冷蔵庫」にありがちなこと
・中身がぎっしり詰まっていて、何が入っているのか把握できない
・同じ調味料や食材を買ってしまい、気付けば賞味期限切れ
・開閉が多く、電気代が上がっている
・掃除を後回しにして、冷却効率が落ちている
「見た目でいっぱい」は、実はムダだらけ。というのも、保存状態が悪ければ賞味期限をチェックできません。使い切れず余らせることになったり、重複購入などのムダが生まれたりします。また、冷気の流れが悪くなり電気代も上がる……。
こうなると、冷蔵庫が「貯める場所」ではなく「浪費の温床」になってしまうでしょう。
●「お金持ち冷蔵庫」に共通すること
・中身は5割ほど、冷気が循環する“余裕のある配置”
・透明容器で見える収納を心掛け、食材の重複買いを防ぐ
・週に1度、冷蔵庫を見直して「今ある食材」を生かす献立を考える
・温度設定やドアの開け方に気を配り、電力のムダを防ぐ
資源エネルギー庁の省エネポータルサイトの試算によれば、冷蔵庫の詰め込み過ぎをやめて5割収納を意識すると、年間約1360円、設定温度を「強」から「中」にした場合(周囲温度22℃)は、約1910円がそれぞれ節約できます。
整理整頓や、こまめな温度管理を行うことが、家計の節約にもつながることが分かります。
「お金持ち冷蔵庫」に変える3つのコツ
「お金持ち冷蔵庫」に変えるための3つのポイントを紹介します。今日から少しずつ意識するだけでも、電気代・食費のムダを減らせます。●5~7割収納で“冷気の通り道”をつくる
冷蔵庫は、隙間があってこそ冷気がしっかり巡るもの。パンパンに詰め込むよりも、7割程度(できれば5割)を目安に収納しましょう。
“見える収納”を意識して、透明容器や立てて収納する仕切りを活用すると、食材を把握しやすくなり、重複買いや使い忘れも自然と減っていきます。
●週または月1回、「冷蔵庫チェックデー」をつくる
冷蔵庫の中身を定期的に見直す習慣を持つだけで、在庫が“生きた食材”に変わります。
残り物を活用したメニューを考えたり、期限が近いものを優先的に使ったりすることで、食材ロスを防ぎ、買い物回数も減らせるようになります。
また、冷蔵庫のドアを開ける時間を短くする、夏は「強」・冬は「中」など気温に合わせた温度設定をすることも、ムダな電力消費を防ぐポイントです。
●10年以上使っている冷蔵庫は“買い替えを検討”
冷蔵庫の省エネ性能は年々進化しています。資源エネルギー庁の省エネポータルサイトによれば、10年前のモデルから最新型に替えると、約28~35%の節電効果が期待できるほか、静音性や保冷力も向上します。
ただし、買い替えは大きな出費でもあります。慌てて購入するより、計画的に「冷蔵庫積立」などを家計に組み込み、セールなどを活用してタイミングを見極めるのがおすすめ。「省エネ家電」への投資は、長期的には電気代・食材ロスの削減につながります。
まとめ
家計支出の中で、食料費はおよそ3割を占めます。つまり、冷蔵庫の中身は家計の縮図なのです。パンパンに詰め込まれた冷蔵庫は、気付かないうちに“ムダの宝庫”になっていることもあります。これからは、冷蔵庫を「5~7割収納」「定期チェック」「省エネモデルへの更新」という3つの意識を持ち、節約につなげましょう。