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迎春―菊家の和菓子で迎える春

お正月は和菓子で初めたいと思いませんか?昔の暦で言えば、1月2月3月は春。そのことから賀春、迎春、初春などとも祝われるお正月。寒い最中に春を思うのは日本人ならでは。

執筆者:冨田 いずみ

東京は青山の通称・骨董通り(正式は高樹町通り)の中程にある柳の木と言えば「あゝ」と皆さん御存知の老舗和菓子店菊家さんの店先。昭和10 年青山通りで創業以来、宮家をはじめ茶道御家元、また文人墨客の諸先生方の御用達の菓匠として、昭和25年に現在地に移り今日に至るまで、暖簾分けなど一切せず一子相伝のその技と味を守り続ける顔が、そこに窺えます。

月々の生菓子


花びら餅
花びら餅
600年もいにしえの昔、平安時代の新年行事「歯固めの儀式」に、その原形は食されていたという「花びら餅」。ふくさ牛蒡と白味噌餡を薄く延ばした菱形の餅で挟み折った本来のかたちを彷佛させる菊家さんの「花びら餅」は、この季節一度は口にしたい和菓子のひとつ。

生菓子4種
左上/花びら餅(1月) 右上/福紅梅(2月) 左下/桜(3月)右下/瑞雲(通年)

月ごとに季節を映しとる和菓子は、日本人独特の優れた感覚を呼び覚ましてくれる繊細なお菓子。良い芸術作品に触れると人は何かしら気づきを与えられますが、菊家さんのお菓子もまさにそんな珠玉の一粒たち。大事なものを日々忘れないためにも、もっと足繁く通いたいもの。

彩り美しく風雅な干菓子


干菓子4種
左上/とそ入一口おこし  右上/利休ふやき  左下/藤の波  右下/磯遊び、流水  

私は本当に伺ったのはほんの数回きりなのですが、いつも忘れ難いのは、ガラスのショーケースに小さく並んだ色とりどりの綺麗な干菓子たち。ピンクや水色や紫色、そして、その形の美しいこと!昔からある、今に続くもの、それらを自然から切り取って形づくる感性の素晴らしさ、みずみずしさには、ただただ敬服するばかりです。

たま~に訪れる一ファンとして、このお正月の時期にぜひご紹介したいと常々思っておりました。お年賀に、寒中お見舞いの贈答に、また季節ごとのお茶会やお集りにどうぞ。文字通り花を添えてくれることと思います。

【菊家】
住所:東京都港区南青山5-13-2
電話:(03)3400-3856
営業時間:9:00~17:00(土曜は15:00まで)
定休日:日曜・祝日

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和菓子ガイドさんの詳しい菊家さんについての記事もどうぞ、あわせて御覧下さい。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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