古き良き時代の家族は、晴れの日の前には服を新調したり、誂えたりしたものでした。また決まったお店があって、息子が成人したり、娘が就職したりといった事あるごとに父や母、そして祖父や祖母から受け継がれたものを大なり小なり贈られたものです。もちろん今もそんなスタイルを大事に続けていらっしゃる方々もおありだと思います。代々伝えたいものには、家族と同じように深い理由と歴史があります。佳いものが、佳い絆つくる。そんなまさに、本来の家族のあり方に立ち帰らせてくれる、上質な誂えシャツ「シャルベ」をご紹介しようと思います。
貴族のシャツ「シャルベ」誕生の歴史
美しいシャルベのシャツ ※写真はイメージです。 |
しかも、今現在のシャツスタイルの原形を創り出したのもシャルベでした。ボタンで取り付ける形だった当時の襟やカフスをシャツ本体に縫い付け、襟を折り返すというスタイルを考案し、それは瞬く間に世の中へ受け入れられました。1889年万国博覧会で開催されたヨーロッパシャツ製造業者によるコンテストでは、金賞と審査員大賞を獲得。その名声はヨーロッパ中はもちろん、海を越えて広がることに。
ナポレオン帝政時代のフランス皇室や芸術家はもとより、イギリス、スペインの王室などいくつもの王室出入り業者になると同時に、ド・ゴール大統領やケネディ大統領など、当代一流の文化人、財界人、政治家が顧客に名を連ね、今も創業以来「エグゼクティブのための佳い趣味」を貫く上質の品々を提供し続けています。
他界後、顧客の名を語ることは許されていますが、現在の顧客の名が明かされることはありません。顧客の名前を宣伝に利用しないというのが、「シャルベ」が頑なに守る方針だからです。第三共和政期の政治家たちが密かに会合を持ちたいと思った時は「シャルベ」のサロンを選び、当時の内閣の組閣や解散は「シャルベ」で行われると19世紀に既に噂されたほど秘密を厳守する姿勢は、今も変わりません。
※「シャルベ」は、1870年にはヴァンドーム広場25番地へ、1920年その8番地へ、そして1982年現在の28番地へ移転し、今日一流の高級宝飾店が建ち並ぶヴァンドーム広場の中にあって、最も歴史のある店舗なのです。
次のページは、その「シャルベ」の品揃えの一端をご紹介します。