Omiusの特許技術とその冷却原理
「Omius」はアメリカで特許(特許番号:US10820652B2)が取得されており、発明タイトルを日本語で端的に訳すと、「熱伝達の分野における有効な皮膚用冷却部品」となります。実際のOmius製品と同じような図が、特許文献で次のように示されています(図1)。

図1:特許文献にあるOmiusのイメージ ※画像:Google Patents
汗をかくほど冷却される仕組みとなっており、特許文献の中でも、「着用者の汗の量が増えるほどに冷却速度が高まる」などと記載されています。1:熱伝導性の高いグラファイトが使用されており、そのグラファイトに施した特別なコーティングにより、人体から出る汗などの水分の吸収と蒸発をすばやく行えるようにすることで、蒸発冷却によって着用部分を冷却することができる。
2:冷却ピースを皮膚に接触させることで、着用部分の熱を吸収して空気中に放出できる。
「Omius」は夏場のマラソンや競歩、トライアスロンなどの屋外競技のためのアイテムであり、特許文献の中でも想定する利用者として、2時間以上のマラソン競技や、7時間以上の自転車競技をする人が挙げられています。
また、汗をすばやく蒸発させることで冷却するため、皮膚に直接装着するヘアバンドのような使い方が最も効果的だと考えられます。実際に、パテルナイン選手やペトロス選手のいずれも額に冷却ピースが当たるように、直接頭に巻くように使用していました。
水を直接「Omius」にかけて蒸発冷却させることですばやく冷やしたり、額に当ててある冷却ピースを時折少し横にずらすことで、より効果的に熱を吸収したりするといった使い方ができます。
昨今、地球温暖化などの影響により、世界全体でも暑い時期が長くなっているため、今後、夏場の屋外競技ではこのような冷却アイテムの重要性が増していくでしょう。
今後、どのような冷却アイテムが出てくるのか、そういった点にも注目して夏のスポーツを見てみると、また楽しみ方が広がるかもしれません。
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