4×100mリレー決勝での桐生選手のタイム
34年ぶりに東京で開催された2025世界陸上ですが、最終日に男子4×100mリレーの決勝が行われました。日本代表は予選で組3着、全体で5位の見事な走りで決勝進出を決め、メダル獲得への期待も高まっていました。
当日の決勝では、雨が降りしきる中、日本代表の各選手がスタート前に、マンガ『ワンピース』の主人公ルフィの決めポーズ(1走の小池祐貴選手がギア2、2走の栁田大輝選手がギア3、3走の桐生祥秀選手がギア4、4走の鵜澤飛羽選手がギア5のポーズ)を披露し、大いに盛り上がりました。
今大会は、アメリカのライルズ選手のかめはめ波ポーズなど、各選手のスタート前のユニークな決めポーズもとても印象的でした。
そんな大いに盛り上がった中で行われた男子4×100mリレー決勝では、日本は6位となり、惜しくもメダルには届きませんでした。
公表されている各選手の公式タイムと順位は以下の通りです。
1走 小池選手:10秒55(全体4位)
2走 栁田選手:9秒14(全体6位)
3走 桐生選手:9秒71(全体8位)
4走 鵜澤選手:8秒95(全体4位)
1走は助走がない中で走ることとカーブを走るため2走・4走と比べるとややタイムが遅くなりがちで、3走も同様にカーブを走るため2走・4走と比べるとややタイムが遅くなりがちです。そんな中、3走の桐生選手が全体8位の走りとなり、結果としては、前を走るチームとの差が開いてしまいました。
桐生選手は、2025年8月の記録会で8年ぶりとなる9秒台(9秒99)を出すなど、とても好調で、また今回のリレーメンバーの中でも経験豊富で頼りになる存在でした。
実際、リレー決勝でも桐生選手のバトンの受け渡しは非常にスムーズに見えました。では、桐生選手に何があったのでしょうか。筆者は、リレー決勝での桐生選手には、いつもとは異なる何かが起きていたのではないかと考えます。
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