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【世界陸上】リレー決勝で桐生選手に感じた異変。再び9秒台を記録した「厚底特許シューズ」ではなく…

【“特許”という視点から見る世界陸上 #4】東京2025世界陸上の最終日に行われた男子4×100mリレー決勝では、桐生祥秀選手にいつもと違う変化が起きていました。そんな桐生選手に起きていた異変を考察しながら、桐生選手が履く厚底特許シューズについて解説します。※写真:長田洋平/アフロスポーツ

藤枝 秀幸

藤枝 秀幸

弁理士 ガイド

弁理士・行政書士。IT会社等でのプログラマ・SEとしてのシステム開発等を経て、2009年に当事務所(現:藤枝知財法務事務所)を開業。現在はIT分野やエンタメ分野のクライアント様を中心に契約書業務や知的財産業務を日々行わせて頂いております。

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男子4×100mリレーで激走を見せてくれた桐生祥秀選手 写真:長田洋平/アフロスポーツ

男子4×100mリレーで激走を見せてくれた桐生祥秀選手 写真:長田洋平/アフロスポーツ

連日熱戦が繰り広げられていた東京2025世界陸上。実は選手の活躍の裏に「特許技術」が影響していることは、あまり知られていないかもしれません。今回は男子100m走と男子4×100mリレーで激走を見せてくれた桐生祥秀選手にフォーカス。自身もフルマラソンを走るなど大の陸上好きである弁理士の筆者が、リレー決勝で起きていた桐生選手の異変を考察しながら、桐生選手が再び9秒台を出せた「厚底特許シューズ」について解説します。

4×100mリレー決勝での桐生選手のタイム

34年ぶりに東京で開催された2025世界陸上ですが、最終日に男子4×100mリレーの決勝が行われました。

日本代表は予選で組3着、全体で5位の見事な走りで決勝進出を決め、メダル獲得への期待も高まっていました。

当日の決勝では、雨が降りしきる中、日本代表の各選手がスタート前に、マンガ『ワンピース』の主人公ルフィの決めポーズ(1走の小池祐貴選手がギア2、2走の栁田大輝選手がギア3、3走の桐生祥秀選手がギア4、4走の鵜澤飛羽選手がギア5のポーズ)を披露し、大いに盛り上がりました。

今大会は、アメリカのライルズ選手のかめはめ波ポーズなど、各選手のスタート前のユニークな決めポーズもとても印象的でした。

そんな大いに盛り上がった中で行われた男子4×100mリレー決勝では、日本は6位となり、惜しくもメダルには届きませんでした。

公表されている各選手の公式タイムと順位は以下の通りです。

1走 小池選手:10秒55(全体4位)
2走 栁田選手:9秒14(全体6位)
3走 桐生選手:9秒71(全体8位)
4走 鵜澤選手:8秒95(全体4位)

1走は助走がない中で走ることとカーブを走るため2走・4走と比べるとややタイムが遅くなりがちで、3走も同様にカーブを走るため2走・4走と比べるとややタイムが遅くなりがちです。そんな中、3走の桐生選手が全体8位の走りとなり、結果としては、前を走るチームとの差が開いてしまいました。

桐生選手は、2025年8月の記録会で8年ぶりとなる9秒台(9秒99)を出すなど、とても好調で、また今回のリレーメンバーの中でも経験豊富で頼りになる存在でした。

実際、リレー決勝でも桐生選手のバトンの受け渡しは非常にスムーズに見えました。では、桐生選手に何があったのでしょうか。筆者は、リレー決勝での桐生選手には、いつもとは異なる何かが起きていたのではないかと考えます。

>次ページ:8年ぶりに9秒台を出せるようになった理由
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