社会ニュース

“沖縄県だけ”で流通した千円札が12万円で落札! 残存数が極めて少ない「レア紙幣」の秘密とは?

2025年8月10日に終了した、第124回入札誌「銀座」から、伊藤博文の千円札の落札結果を取り上げます。実はこの紙幣は、沖縄県のみで流通したもので、プレミアムが付く貴重な紙幣です。一体、普通の紙幣と何が異なるのでしょうか?

伊藤 亮太

伊藤 亮太

株式・ファイナンシャルプランナー ガイド

慶應義塾大学大学院商学研究科修士課程修了。その後証券会社にて、営業、経営企画部門等を経て、独立系FP会社「スキラージャパン株式会社」設立。ファイナンシャル・プランナーとして、家計簿診断などのライフプランニング、資産運用、保険の見直しなどの相談を行う。執筆・講演も金融機関をはじめ多岐に渡る。

...続きを読む
沖縄県だけで流通した紙幣が高額落札! その理由とは? ※画像:PIXTA

沖縄県だけで流通した紙幣が高額落札! その理由とは? ※画像:PIXTA

沖縄県だけで流通した千円札がある、と聞いてピンとくる人はいるでしょうか? 今ではあまり見かけなくなった二千円札のこと? いえ、違います。以前使われていた千円札の中に、実は沖縄県だけで流通していたものがあるのです。

そんな千円札が2025年8月10日に終了した第124回入札誌「銀座」で落札されました。落札価格は額面の120倍となる12万円(手数料込みで13万9800円)です。いったいどのような千円札なのでしょうか? 実はこの千円札自体は見たことがある、知っている人も多いはずです。

「記番号」に注目

額面の120倍以上の価格で落札された実際の千円札(表面) ※画像:第124回入札誌「銀座」 Lot番号:566 伊藤博文1000円札 黒番 2桁 沖縄復帰特殊記号券 YZ655577M | EF

額面の120倍以上の価格で落札された実際の千円札(表面) ※画像:第124回入札誌「銀座」 Lot番号:566 伊藤博文1000円札 黒番 2桁 沖縄復帰特殊記号券 YZ655577M | EF

その正体は伊藤博文の千円札です。「あれ? ただの伊藤博文の千円札じゃないか」と思う人も多いでしょう。伊藤博文の千円札は、1963年11月1日に発行開始となり、1986年1月4日に発行停止となりました。

それでは、通常使われていたものと何が異なるのでしょうか。ポイントは記番号(アルファベットと数字)のアルファベットにあります。今回落札された千円札は、最初のアルファベットが「YZ」、最後が「M」となっています。実は、最初がYZで最後がM、N、P、Q、Rのものや、最初がZZで最後がJ、K、L、M、N、P、Q、Rとなっているものは、通常使われない特殊記号券と呼ばれ、沖縄県だけで流通した千円札なのです。こうした千円札は、「沖縄復帰特殊記号券」と呼ばれており、プレミアム価格が付いています。

沖縄の本土復帰と関係が

なぜ沖縄県だけで流通した千円札があるのでしょうか。これには1972年5月15日、沖縄が本土復帰したことに理由があります。本土復帰前は沖縄では米ドルが使われていましたが、本土復帰に伴い日本円を流通させる必要がありました。1972年5月15~20日の間に、沖縄県民に限り、1ドル=360円で米ドルと日本円の交換が行われ、この時に流通したのが沖縄復帰特殊記号券です。

当時は特殊記号券について機密扱いとされており、おそらく交換した沖縄県民も知らずに使っていた可能性があります。そのため、残存数が極めて少なくなっているようです。高値がつく理由はここにあります。

もし伊藤博文の千円札を持っている人は、ゾロ目などの珍番号だけではなく、アルファベット部分にも注目してみてください。特に沖縄県では、本土復帰に伴い発行された紙幣として大切に保管されているケースもあるかもしれません。大きなプレミアムが付く紙幣ですので、ぜひ探してみてくださいね。

>次ページ:12万円で落札された「実際の千円札」を見る

<参考>
第124回入札誌「銀座」 Lot番号:566 伊藤博文1000円札 黒番 2桁 沖縄復帰特殊記号券 YZ655577M | EF
  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

カテゴリー一覧

All Aboutサービス・メディア

All About公式SNS
日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
公式SNS一覧
© All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます