そんな千円札が2025年8月10日に終了した第124回入札誌「銀座」で落札されました。落札価格は額面の120倍となる12万円(手数料込みで13万9800円)です。いったいどのような千円札なのでしょうか? 実はこの千円札自体は見たことがある、知っている人も多いはずです。
「記番号」に注目

額面の120倍以上の価格で落札された実際の千円札(表面) ※画像:第124回入札誌「銀座」 Lot番号:566 伊藤博文1000円札 黒番 2桁 沖縄復帰特殊記号券 YZ655577M | EF
それでは、通常使われていたものと何が異なるのでしょうか。ポイントは記番号(アルファベットと数字)のアルファベットにあります。今回落札された千円札は、最初のアルファベットが「YZ」、最後が「M」となっています。実は、最初がYZで最後がM、N、P、Q、Rのものや、最初がZZで最後がJ、K、L、M、N、P、Q、Rとなっているものは、通常使われない特殊記号券と呼ばれ、沖縄県だけで流通した千円札なのです。こうした千円札は、「沖縄復帰特殊記号券」と呼ばれており、プレミアム価格が付いています。
沖縄の本土復帰と関係が
なぜ沖縄県だけで流通した千円札があるのでしょうか。これには1972年5月15日、沖縄が本土復帰したことに理由があります。本土復帰前は沖縄では米ドルが使われていましたが、本土復帰に伴い日本円を流通させる必要がありました。1972年5月15~20日の間に、沖縄県民に限り、1ドル=360円で米ドルと日本円の交換が行われ、この時に流通したのが沖縄復帰特殊記号券です。当時は特殊記号券について機密扱いとされており、おそらく交換した沖縄県民も知らずに使っていた可能性があります。そのため、残存数が極めて少なくなっているようです。高値がつく理由はここにあります。
もし伊藤博文の千円札を持っている人は、ゾロ目などの珍番号だけではなく、アルファベット部分にも注目してみてください。特に沖縄県では、本土復帰に伴い発行された紙幣として大切に保管されているケースもあるかもしれません。大きなプレミアムが付く紙幣ですので、ぜひ探してみてくださいね。
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<参考>
第124回入札誌「銀座」 Lot番号:566 伊藤博文1000円札 黒番 2桁 沖縄復帰特殊記号券 YZ655577M | EF