それでも「ほぼ日手帳」の場合、本体は、1日1ページ、1冊で1年分の「オリジナル」(文庫サイズ)と「カズン」(A5サイズ)、それらと同仕様でカバー不要の「HON」、月間カレンダーと方眼ノートを組み合わせた、日付にとらわれず使える「day-free」、見開き1週間でスリムな縦型の「weeks」、「オリジナル」の英語表記版「Planner」から、まず来年はどれを使うかを決めれば、あとは、好みに合わせてさまざまなカバーやオプション的に使える文具類を選ぶだけ。
その選び方も、基本的には1日1ページがいいのか、見開き1週間がいいのかを選べば、あとはサイズとカバーが悩みどころというくらいのもので、毎年、そこを悩むのは楽しいことだったりもします。個人的には、ここ数年は見開き1週間の「weeks」で気に入った表紙のものをシンプルに使っていますが、さて来年はということで、今回発表された全アイテムから、強引に私的ベスト5を選んでみました。
第1位:「富江 Smirk」(オリジナル、文庫サイズ/伊藤潤二)
第1位は、現代ホラーマンガの第一人者、伊藤潤二さんの代表作の1つ『富江』とほぼ日手帳がコラボしたシリーズから、オリジナル用のカバー「富江 Smirk」です。実際のところ、筆者の個人的な好みというのもあるのですが、1997年に初めて『伊藤潤二恐怖マンガCollection』(朝日ソノラマ刊)の第1巻を友人の家で読んだ時の衝撃は忘れられません。発表から11年後なので遅ればせながらのファンではあるのですが、映画の第一作も、その友人と映画館に見に行きました。 今回、どのアイテムも素晴らしい出来なのですが、特にスタンダードな文庫サイズ用のカバーを選んだのは、やはり、このカバーが使える手帳本体が「オリジナル」「day-free」「Planner」と幅広いのと、文庫サイズにとても合うデザインになっていたからです。カバー内側の赤地に富江が描かれているデザインも、ポケットから富江がはい上がってくるように見えるギミックもよくできています。
殺してもよみがえる富江を手帳にするというのは、考えてみれば、破損したりなくしたりしても戻ってくるかもしれないわけで、これは手帳のデザインとして最高なのではないかと思ったのです(本気にしないでね)。
第2位:「覚えていられない僕のための忘れないノート」(坂口恭平)
いきなりノートの紹介で恐縮ですが、このノート、ほぼ日のノートには珍しく、A5サイズの横開きなのです。中の罫線も他のノートより少し大きな5mm方眼になっていて、これは筆者が普段使っているノートと同じサイズ、仕様なのです。それが坂口恭平さんの絵を表紙にして登場したのですから、個人的に大喜びの製品。 実は、今回のアイテムの中でも横長のノートはこれだけで、内覧会で「なぜ、他の表紙の横型はないんですか?」と尋ねたら、「そういえばそうですね」と言いつつ、今回モチーフにした坂口恭平さんの作品集がすべて横長の作品で構成されていたから、そのまま横長のノートにしたのだと説明していただきました。つまり、必然性のある横型ノート。紙はトモエリバーで、288ページのボリューム、180度ぱたんと開く横長ノートは、本当に使いやすいんですよ。第3位:weeks・カバー「タイト(グレー&ライトブルー)」
毎年、いくつかの上質な革カバーを発表するほぼ日手帳ですが、中でも、今回の「タイト」は、革の質感と表と裏を別の色に染めるという、珍しくも難しそうな技術が使われているところがとても気に入りました。個人的に「weeks」の愛用者だからというのもあります。実際、weeksはハードカバー装丁で別途カバーをかける必要がないのが気に入っているのですが、このカバーなら使ってみたいと思ったのです。 革は北イタリアのポレット社がクロムなめしで仕上げた「SETA DOUBLE(セータ ダブル)」。しぼの入り方もほどよくて、柔らかく開きやすい革なのも気に入りました。クッション感のあるソフトな手触りも、実際に手帳を使う時に心地よさそうです。この革を使ったカバーは他のサイズもあるのですが、スリムなweeksにソフトな感触の革という組み合わせがよく似合っていて、使うならこのサイズだと思ったのです。
第4位:カズンサイズ・カバー「tragen(トラーゲン) マスタード」
カズンサイズ用のカバーで気に入ったのは、去年も発売されていた「tragen(トラーゲン)」の新色、マスタード。A5サイズのカズンは、軽快に持ち歩きたいというようなものではないので、使うなら、写真のように、ポーチ的に使えるカバーがセットになっているとうれしいと思ったのです。しかも、ファスナーポケットは手帳本体を包むように作られているので、中にいろいろものを入れても、筆記時の邪魔にならないのです。 これなら、筆記具だけでなく、シールやハサミ、薬や充電ケーブルだって入れておけそうです。色は、今回選んだマスタードのほかに、パープルが今回の新色。去年からのレッド、オークモス、ブラックも継続販売です。使われているファブリックの質感もいいし、フラップ状になっているファスナーポケット部分はマグネットで留められているのも使いやすいのです。第5位:「和音待ち」(HON/久保田寛子)
ほぼ日手帳を書籍の製本で作った「HON」は、やはりカバーなしで使いたいので、表紙が気に入らないと使えません。2026年版では、久保田寛子さんの「和音待ち」を表紙に使ったこのデザインが、一番カッコいいと感じました。筆者が楽器好きというのもありますが、Eの鍵盤に座った猫が、誰かがもう1つの音を鳴らしてくれるのを待っているという物語が、手帳に似合っていると思ったのです。 裏表紙にも別の鍵盤に黒猫が座っています。しかし、裏表紙なので2匹の猫は出会っていないわけです。手帳を使うことで「本」が出来上がるコンセプトの手帳だというのが、デザインからも伝わるのが見事です。淡い色合いなので、飽きずに1年間使えそうなのも気に入ったポイントです。次点というか補欠というか:「ほぼ日の路線図2026」(オリジナルサイズ用・カズンサイズ用・weeksサイズ用)
ランキング外ですが、この路線図をずっと新しく作り直しながら売り続けているのが、ほぼ日手帳の魅力の1つだと、筆者は思うのです。今の時代、これを使う人がどれくらいいるのかは分かりません。筆者なんて、もはやこの小さな文字が読めません。それでも、路線がどのようにつながっているかは、実はスマホでは把握しにくいものです。「手帳には路線図」という考えがまだ残っていることがうれしいし、やはり持っていれば便利なものなのです。 最後に、もう1つオマケに、伊藤潤二『富江』コラボのweeks「富江 Haunting Beauty」と、関連文具で一番気に入った「富江 ホラークリアスタンプ」の写真もご紹介します。少しでも来年の手帳選びの参考になればうれしいです。>次ページ:「ほぼ日手帳2026」全ラインアップを見る