なぜ「論理的思考」がAI時代の必須スキルなのか?
AIの急速な進化によって求められるのは、単に「新しいツールを使いこなす力」ではなく、それをどう使いこなすかを見極める「思考の力」です。
【 AI(情報処理)】
データ入力 → パターン認識・分析 → もっともらしい答え
↓(答えを受け取る)
【 人間(意味付け・判断)】
この答えは正しいか?→文脈や目的に照らして考える→納得して行動に移す
また、AIという外的な力に向き合うには、まず内なる自分を理解しなければなりません。

【図1】内なる自分を理解する ※画像出典:『AIで「論理的思考力」を鍛える本』(翔泳社)
AIは強力な道具ですが、その使い方を決めるのは人間です。直感や経験だけでは対応しきれない問題にこそ、論理的思考という「型」が力を発揮します。そのために必要な要素が次の3点です。
- ゴールを明確にする
- 要素に分解する
- 根拠をもって判断する
AIと対話しながら選択する力、それがこれからの時代に求められているのです。
論理的思考とは=「なんとなく考える」から「筋道の通った考え方」へ
論理的思考(ロジカルシンキング)とは、直感や雰囲気に流されず、理由と根拠に基づいて考える力です。「なんとなく考える」→論理的思考のろ過装置→「筋道の通った考え方」の具体例を示すと次の通りです。
このようにBさんは問題を要素に分解し、優先順位を明確にして行動に移しています。
- Aさん(なんとなく考える)
「仕事の効率が悪い気がする。とりあえずタスク管理アプリを使ってみよう。」- Bさん(論理的に考える)
「仕事の効率が悪い。その理由は会議が多い、メールに時間がかかる、優先順位が曖昧などが考えられる。まずは無駄な会議を減らそう。」
論理的思考を身に付ける3つのポイント——初心者でも今日からできる基本習慣
論理的思考は「型」として誰もが習得できるスキルです。その中核として、「ゴールから考える」「要素に分解する」「根拠を明確にする」という3つが基本となります。

【図2】論理的思考を身に付ける3つの基本 ※画像出典:『AIで「論理的思考力」を鍛える本』(翔泳社)
フレームワークとは? 論理的思考を「見える化」する“型”の力
フレームワークとは、複雑な情報や課題を整理・構造化し、「どこから・どう分けて・何を考えるか」を明確にするための“思考の枠組み”です。
●ロジックツリーで問題を深掘りする(フレームワーク例)ロジックツリーは、問題を「原因」や「要素」に階層的に分解していくフレームワークです。木の枝のように広がる構造で、全体と部分の関係が視覚化されます。

【図3】ロジックツリー ※画像出典:『AIで「論理的思考力」を鍛える本』(翔泳社)
論理的思考を用いたプロンプト事例
ここからは実際に論理思考(ロジカルシンキング)を用いたプロンプトを紹介します。【事例】日常生活(片付かない部屋の問題)のプロンプト例
「部屋がいつも片付かない理由を、要素に分解して、ロジカルに整理してください。行動につながるようにアドバイスも加えてください。」
【AIの模範回答】
さらに他のシーン(教育、人間関係、ライフプランなど)でもロジカルシンキング×生成AIをぜひ試してみてください。