2025年の夏ボーナスは、前年比5.91%増、平均支給額98万6233円、4年連続過去最高
日本経済新聞社がまとめた2025年の夏のボーナス調査(7月1日時点)の結果が発表されました。上場企業と日本経済新聞社が独自に選んだ有力な非上場企業を対象とし、383社の回答から、大企業の2025年夏のボーナス事情を見てみましょう。
2025年夏のボーナス回答。全体の支給額平均は98万6233円で、2024年夏比5.91%増。調査対象の企業は、上場企業と日本経済新聞社が選んだ有力な非上場企業で、回答671社のうち集計可能な383社で算出(出典:日本経済新聞社ボーナス調査、2025年7月1日現在。加重平均、増減率と前年比は%)
2022年は前年比11.29%と大幅な伸びでしたが、2023年は前年比2.6%増、2024年は3.72%と上げ幅が小さかったのですが、2025年は大きく伸びました。また、100万円以上支給する会社が3割を超える結果となりました。
製造業5.56%増の約101万円、非製造業は6.72%増の約91万円
製造業は平均が前年比5.56%増で101万8830円、非製造業は前年比6.72%増で91万7909円となりました。製造、非製造ともに好調な結果となりました。業種別支給額トップ3は建設、通信、情報・ソフト全て非製造業
業種別の支給額を見ると、支給額が一番高額なのが建設で173万7457円でした。前年比12.9%増と大きく増やしています。続いて2位は通信で166万5712円、前年比6.17%増です。3位は情報・ソフトで140万4659円、前年比4.7%増です。4位の不動産・住宅は136万3244円、5位の水産は126万4533円です。トップ5を見ると、全てが非製造業の業種です。6位から10位までは、重工・造船、機械、精密機械、医薬品、電機と製造業が続きます。逆に、一番低かったのは陸運で47万2516円。1位の建設の金額173万円の27%ほど。業種間での大きな差があります。続いて、その他小売業65万7617円、百貨店・スーパー67万2689円と下位3業種は非製造業となり、非製造業が上位と下位を占める結果となりました。非製造業の中でも、ボーナスが高い業種と低い業種に分かれています。
増加率トップは、その他輸送機器の22.84%増
増加率のトップはその他輸送機器で22.84%増です。2023年度も15.7%増、2022年度13.4%と順調に伸びています。また、重工・造船20.19%増、医薬品が14.29%増と製造業で前年より大きく伸ばしています。前年より減ったのは、鉄鋼が9.23%減、雑貨・その他製造7.07%減、窯業5.2%減と、製造業に前年比減がでていますが、いずれも90万円以上の支給となっており、高額の中での減少となっています。
支給額トップはディスコで約527万円
会社別での支給額を見ると、トップはディスコで527万3020円。2024年は435万2985円、2023年は377万3654円でした。年々100万円単位で増えています。ディスコは、半導体製造装置の会社ですが、独自の社内通貨を採用しており、働きやコストなどを社内通貨でやりとりし、保有している通貨に対してボーナス支給額が決まる仕組みとなっています。この仕組みにより、業績もアップしボーナスが増えています。2位は商船三井で335万円。2024年は261万円で4位でした。
3位は鹿島で260万円、4位はテレビ東京で259万800円と続きます。
5位はショーボンドホールディングスで247万6033円。社会インフラの補修・補強を専門とする総合メンテナンス企業です。独自の技術を使った維持管理で高い業績をあげており、ボーナスも連動して高額になっています。
6位の高砂熱学工業は244万9039円。空調設備工事の会社で、こちらも独自技術を駆使した工事で高い業績をあげています。一般的にはあまり知られないながらも、確かな技術で裏方を支えるこれらの会社がボーナスで上位にでてくるのはよい傾向ですね。
2025年の夏ボーナス事情は、4年連続で最高となり、100万円以上支給する会社が3割を超える結果となりました。ただし、これは大手企業の調査結果です。中小企業では事情が異なり、ボーナスが支給されないところもあります。大企業だけでなく中小企業の業績も上向いて、もっと多くの会社でボーナスが増え、消費が経済を動かす起点になってくれるといいですね。