「子育てグリーン住宅支援事業」とは?
「子育てグリーン住宅支援事業」は、環境にやさしく、エネルギーを無駄にしない住宅を増やすことを目的に、国が実施している補助金制度です。名前に「子育て」とありますが、実はこの制度は子育て世帯だけでなく、どんな世帯でも利用できます。この制度では、新築で高性能な省エネ住宅を建てる場合や、すでに建っている家を省エネ仕様にリフォームする場合に、国からお金の補助を受けられます。ここでは、主に「リフォーム」に対する補助(=リフォーム枠)についてご説明します。
<参考>子育てグリーン住宅支援事業【公式】
リフォームで補助を受けるための条件は?
リフォームの補助を受けるためには、国に登録されている「グリーン住宅支援事業者」という工務店やリフォーム会社と契約を結ぶ必要があります。この事業者は、補助を受けたい人の代わりに補助金の申請手続きなどを行ってくれる会社で、補助金が支払われた後は、その金額を工事費用などに反映してくれます。補助を受けられる人は、リフォームする住宅の持ち主や管理者であることが条件です。対象となる家は、建てられてから1年以上たっている住宅か、過去に人が住んだことのある中古住宅です。今現在、人が住んでいる家でもOKです。
どんなリフォームが対象になるの?
対象になるリフォームは、あらかじめ決められた内容に当てはまっている必要があります。例えば、断熱性を高める工事や、高性能な給湯器への交換など、エネルギーを効率よく使えるようにする工事です。対象の工事は以下の8つのカテゴリーに分かれていて、その中でも特に重要とされる3つのカテゴリー(これを「必須工事」と呼びます)のうち、2つ以上を実施することが補助を受けるための基本条件です。
■必須工事
①開口部の断熱改修
②躯体の断熱改修
③エコ住宅設備の設置
■任意工事
④子育て対応改修
⑤防災性向上改修
⑥バリアフリー改修
⑦空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
⑧リフォーム瑕疵保険等への加入
また任意工事の補助を受ける場合は、「カテゴリー①~③の必須工事」のうち、いずれか2つ以上のリフォーム工事を行った上で、「カテゴリー④~⑧の任意工事」もあわせて申請すること。
どちらのケースでも、この制度で申請する工事の補助額の合計が5万円以上になっていないと、補助金はもらえません。
ただし、もしこの制度でカテゴリー①(窓の断熱など)の工事を行わない場合でも、「先進的窓リノベ2025」という別の制度で補助が認められているなら、カテゴリー①を行ったとみなされます。同様に、カテゴリー③(給湯器などの省エネ設備の工事)についても、この制度で工事を行わなくても、「給湯省エネ2025」または「賃貸集合給湯省エネ2025」の補助を受けている場合は、カテゴリー③を実施したとみなされます。
●エアコンの補助を受けたい場合
もしエアコンの補助を受けたい場合は、まず必須とされているリフォーム工事(カテゴリー①~③)の中から、異なる2つ以上の工事をきちんと行った上で取り組むことが条件になります。同一カテゴリー内で複数の工事を実施しても、補助対象としては1つとカウントされます。
補助金はいくらもらえるの?
補助金の金額は、行うリフォームの内容によって変わります。どの工事をするかによって、決まった金額が設定されています。補助金の上限額は、行うリフォームの内容によって2通りに分かれています。
・Sタイプ(上限60万円):必須工事①~③の全てのカテゴリーを実施
・Aタイプ(上限40万円):必須工事①~③のうち、いずれか2つのカテゴリーを実施
このように、工事の規模や内容によって補助額が変わってきます。
●エアコンの補助額は?
対象となるエアコンは、国や公的機関が試験した空気清浄・換気性能を有する登録製品のみ。有効な製品かどうかは、製品名や型番を事務局サイトで必ず確認しましょう。
<参考>対象製品の検索
エアコンの補助額は、冷房能力に応じた補助額×設置台数の合計で決まります。
・3.6kW以上(12畳以上):2万7000円/台
・2.2kW超~3.6kW未満(8~10畳用):2万4000円/台
・2.2kW以下(6畳ほど):2万円/台
エアコン補助金の申請期間と注意点
エアコンの補助金をもらうためには、工事を始めてから補助金の申請をするまでに、決められたスケジュールを守る必要があります。申請の受付は、すでに始まっていて、国の予算がなくなり次第終了します。
遅くとも2025年12月31日までですが、それより早く締め切られる可能性もあるため、できるだけ早めの申請が大切です。
申請の手続きは、ご自身で行うのではなく、国に登録されたリフォーム会社や工務店(=登録事業者)を通じて行います。
これらの事業者が、「住宅省エネポータル」という専用サイトを使って、代わりに申請してくれます。スムーズに申請が進むよう、必要な書類の準備などをリフォーム会社と協力して進めましょう。
まとめ:補助金を活用しながら、エコで快適な暮らしと節約を実現するチャンス
前述したように、エアコンの補助金を受けるには、あらかじめ決められている「必須工事(カテゴリー①~③)」のうち、異なる2つ以上の工事を行うことが条件です。例えば、カテゴリー①の「開口部(窓など)の断熱改修」では、エアコンのある部屋に内窓を設置することで冷暖房の効率が上がり、光熱費の節約につながります。
また、カテゴリー③の「エコ住宅設備の設置」では、節水型のトイレや、高効率な給湯器を取り付けることで、水道代やガス代の節約になります。
このように、補助金を活用しながら、一歩先のエコで快適な暮らしと節約を実現するチャンスです。スムーズに進めるためには、信頼できるリフォーム会社(登録事業者)を選ぶことがとても大切。
最初に「このくらいの予算で考えている」と伝えておくと、補助金を生かした無駄のない提案をしてもらいやすくなります。
補助金を上手に使って、エアコン設置とあわせて、家全体を快適で省エネな空間にしていきましょう。