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国の税収が過去最高を更新。年収500万円の人が1年間で払う税金はどれくらい?

昨年度の国の税収が75兆円を超える見通しと発表され、話題となりました。例えば年収500万円の会社員は、1年間でどれくらいの税金を納めているのでしょうか?※画像出典:PIXTA

川手 康義

川手 康義

ファイナンシャルプランナー / サラリーマン家庭を守るお金術 ガイド

元製薬企業MR(医薬情報担当者)のCFP・1級FP技能士。日本ファイナンシャルプランナーズ協会に所属しており、協会会員向けの研修会や一般の方へのセミナーの企画・運営に携わっている。

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2025年6月末、昨年度の国の税収が75兆円を超える見通しと発表され、話題となりました。一方で、私たちが実際に支払っている税金は、所得税や消費税などの「国税」だけではありません。例えば、給与からは住民税などの「地方税」も引かれています。

では、年収500万円の会社員は、1年間でどれくらいの税金を納めているのでしょうか? ファイナンシャルプランナーの川手康義さんに試算してもらいました。

年収500万円の会社員の「所得税」はいくら?

給与や賞与からは所得税が源泉徴収されていますが、最終的な税額は年末調整や確定申告によって決まり、精算されるため、それに沿って試算していきましょう。

●年収500万円のケース
(東京都在住、一般企業勤務、40歳未満の男性、扶養家族なし、協会けんぽ加入の場合)
→14万700円

(計算式)※令和6年で試算

500万円-144万円(給与所得控除)-48万円(基礎控除)-72万6000円(社会保険料控除)=235万4000円(課税所得)

235万4000円×10%(速算表より)-9万7500円=13万7900円(所得税額)
13万7900円×2.1%=2895円(復興特別所得税)

13万7900円+2895円=14万700円
※100円未満切り捨て

年収500万円の会社員の「住民税」はいくら?

住民税は前年の所得に応じて、都道府県や市区町村に納める税金です。計算方法は所得税と同じですが、一部の控除額や税率が異なります。住民税には、所得に応じた「所得割」と、所得に関係なく一律で課される「均等割」があります。

●年収500万円のケース
(東京都在住、一般企業勤務、40歳未満の男性、扶養家族なし、協会けんぽ加入の場合)
→24万2900円

(計算式)※令和6年で試算

500万円-144万円(給与所得控除)-43万円(基礎控除)-72万6000円(社会保険料控除)=240万4000円(課税所得)

240万4000円×10%(所得割)+5000円(均等割)-2500円(調整控除)=24万2900円
※標準税率を使用

日々の暮らしでは「消費税」の負担も大きい

日常生活の中では、消費税の負担も見逃せません。税率は10%(※食料品どは軽減税率で8%)で、国の税収の中では最大の財源となっています。

例えば、年間の生活費(消費支出)が300万円の場合
→30万円/年
消費税として支出。軽減税率を考慮しない

社会保険料も含めると、年収の約3割が手元に残らない

税金ではありませんが、社会保険料(厚生年金保険料、健康保険料、雇用保険料)も、実質的には手取りを減らす要因です。前述の社会保険料控除72万6000円がそれに該当し、所得税・住民税・消費税と合わせると、年収の約3割が税金や公的負担として家計から出ていく計算になります。

ここまで紹介したのは代表的な税金ですが、ほかにも相続税や贈与税、自動車税、固定資産税など、ライフイベントや個人の持つ資産に応じてさまざまな税金が発生します。

税や社会保険は、私たちの暮らしに直結する大きな政策論点です。「自分がどんな税を負担しているのか」「将来、制度はどう変わるのか」について、常にアンテナを張っておきたいところです。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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