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懐かしい“新渡戸稲造の五千円札”がなんと「12万円」に大化け!昔の紙幣が高値になったのは一体なぜ!?

2025年6月8日に終了した、第123回入札誌「銀座」から、五千円札の落札結果を取り上げます。なんと落札結果は12万円(手数料込みで13万9800円)。なぜこのような高額落札となったのか、そのカギは同じ紙幣でも時代によって数種類に分けられる点にあります。※画像:PIXTA(画像はイメージ)

伊藤 亮太

執筆者:伊藤 亮太

株式・ファイナンシャルプランナーガイド

新渡戸稲造の肖像が描かれた五千円札が高額落札。そのワケは? ※画像:PIXTA(画像はイメージ)

新渡戸稲造の肖像が描かれた五千円札が高額落札。そのワケは? ※画像:PIXTA(画像はイメージ)

2025年6月8日に終了した第123回入札誌「銀座」では、新渡戸稲造の肖像が描かれた五千円札が12万円(手数料込みで13万9800円)で落札されました。新渡戸稲造の五千円札は1984年11月~2007年4月までに発行されていたものです。そのため、そもそも新渡戸稲造の五千円札の存在を知らない世代も増えてきていることでしょう。

さて、そんな昔の五千円札がなぜ高額落札となったのでしょうか。実は新渡戸稲造の五千円札といっても1種類ではなく、複数の種類があり、マニアにとってはこうした複数種類あるものはすべて集めたくなるといった心理もあったのかもしれません。

では、具体的に確認していきましょう。

新渡戸稲造の五千円札は実は6種類ある

12万円で落札された実際の五千円札(表面) ※画像:第123回入札誌「銀座」 Lot番号:568 新渡戸稲造5000円札 茶番・大蔵 1桁 C666666T/UNC

12万円で落札された実際の五千円札(表面) ※画像:第123回入札誌「銀座」 Lot番号:568 新渡戸稲造5000円札 茶番・大蔵 1桁 C666666T/UNC

新渡戸稲造の五千円札、懐かしいですよね。今回落札された五千円札は、まず未使用であること。これが高値となる大前提です。次のポイントは、ゾロ目であること。今回は記番号(アルファベットと数字)の数字が6のゾロ目です。古い紙幣になればなるほど、ゾロ目を収集していた人は少ないため、価値が高まります。

そしてもう1つのポイントは、実は新渡戸稲造の五千円札は6種類あるということ。その6種類とは、大蔵省黒一桁、大蔵省黒二桁、大蔵省茶一桁、大蔵省茶二桁、財務省茶二桁、国立印刷局茶二桁です。今回の落札品は、五千円札の下真ん中辺りに「大蔵省印刷局製造」とあります。また、記番号を見ると最初にC、最後にTと表記があります。これは一桁に該当します。二桁の場合は、最初がCF、最後がTKのように英文字部分が二桁となります。番号は茶色です。

つまり、「大蔵省茶一桁」であることが分かります。茶色(褐色)の数字は、1993年12月1日から発行されたものです。数はあるものの、今から30年程度は経過しているものであるため、プレミアムが付いたと言ってよいでしょう。欲しい人はゾロ目全種類、時代ごとに全種類集めたりするため、入札による評価が高かったと言えるのではないでしょうか。

紙幣1枚とっても私たちが知らないことはたくさんある

今回は、新渡戸稲造の五千円札について紹介してきました。紙幣1枚とっても、実は何種類かに分かれます。可能な番号をすべて発行したために記番号の色を変えて発行することは今後も十分考えられます。樋口一葉の五千円札では、ホログラムの形が途中で変わるということも生じています。偽造防止措置も至る所にちりばめられています。

ぜひ一度現行紙幣で構いませんので、じっくりよく見てみてください。あ、こんな所にこんな表記が……など、紙幣の面白さに気付くかもしれませんよ。

<参考>
第123回入札誌「銀座」 Lot番号:568 新渡戸稲造5000円札 茶番・大蔵 1桁 C666666T/UNC

>次ページ:12万円で落札された実際の五千円札を見る
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