とはいえ、実際に預け入れるとなると、「満期を過ぎたらどうなる?」「急にお金が必要になったとき、途中で解約できるの?」といった不安や疑問もあるのではないでしょうか。
今回は、定期預金の解約方法や満期時の取り扱い、注意点について、初めての方にも分かりやすくご紹介します。
定期預金を引き出す3つの方法とは?それぞれの手続きと注意点
定期預金は、一定期間お金を預けることで、普通預金よりも高い金利が受け取れる預金商品です。途中で引き出すには条件や手続きが必要になります。ここでは、一般的に定期預金を解約して引き出す3つの方法について、分かりやすくご紹介します。定期預金は、一定期間お金を預けることで、普通預金よりも高い金利が受け取れる預金商品です。ただし、満期前に引き出す場合は、一定の条件や手続きが必要となります。この記事では、定期預金を解約して引き出す3つの方法について、分かりやすくご紹介します。
●満期解約(自動解約型)
定期預金には満期日があり、その日を迎えると自動的に解約される「自動解約型」があります。この場合、元本と利息は以下の日時を目安に普通預金口座へ振り替えられます。
満期日が銀行営業日の場合:満期当日の午前0時ごろ
満期日が土日祝日など銀行休業日の場合:満期日の翌営業日の午前0時ごろ
特に手続きの必要はなく、満期を待てば自動的に資金が戻ります。
●解約予約(自動継続型)
定期預金を「自動継続型」で契約している場合、満期日になると自動的に同じ条件で再び定期預金が始まります。もし満期で解約したい場合は、あらかじめ「解約予約」をしておくと、満期日に解約できます。
手続きは、銀行の窓口、インターネットバンキング、金融機関によってはATMでも行えます。
解約予約は、満期日前に手続きが必要です。前日の○○時までに連絡が必要な場合もあります。また、銀行によっては、満期が近づくと通知が届く場合もあるので、見逃さないようにしましょう。
●中途解約(満期前に解約)
定期預金は基本的に満期まで預けることが前提ですが、急にお金が必要になったときなどは、満期前でも「中途解約」が可能です。
【中途解約の手続き方法】
銀行窓口で解約手続きをする場合は、以下のものが必要になります。
- 通帳(または証書)
- 届印
- キャッシュカード
さらに、本人確認書類の原本(有効期限内のもの)として、以下のいずれか1点も必要です。
- 運転免許証
- パスポート(2020年2月4日以降に発給申請されたものの場合、現在の住所を確認できる補足書類も必要)
- マイナンバーカード
- 各種健康保険証
- 住民票の写し(発行日より6カ月以内のもの)
- 印鑑証明書(発行日より6カ月以内のもの)
参照:三井住友銀行 > ヘルプ
中途解約するときの注意点
定期預金を途中で解約すると、最初に設定されていた高い金利は適用されず、通常は普通預金に近い低金利になります。そのため、急な出費に備えて、定期預金とは別に、すぐ引き出せる普通預金や流動性の高い資金を確保しておくと安心です。
また、中途解約後に適用される金利(中途解約金利)は、銀行によって異なります。例えば、SBI新生銀行では以下のように定められています。
●SBI新生銀行の「パワーダイレクト円定期預金30(インターネット限定)」の場合
預入期間は、1カ月、3カ月、6カ月、1年、2年、3年、4年、5年があります。ここでは、そのうち2つの例を見てみましょう。約定利率とは、預け入れ時に決まる金利のことです。※金利は2025年7月8日現在。
【6カ月もの「約定利率1.0%」】
預け入れ期間が6カ月未満:普通預金の金利を適用
【5年もの「約定利率1.10%」】
預け入れ期間が5年の場合
・6カ月未満:普通預金の金利を適用
・6カ月以上1年未満:利率×30%
・1年以上1年6カ月未満:利率×40%
・1年6カ月以上2年未満:利率×50%
・2年以上2年6カ月未満:利率×60%
・2年6カ月以上3年未満:利率×70%
・3年以上4年未満:利率×80%
・4年以上5年未満:利率×90%
このように、預け入れ期間が長く、満期に近い時期に解約するほど、約定利率に近い金利が適用される仕組みです。しかし、早いうちに中途解約すると、普通預金並みの低い金利しか付かず、ほとんど利息が付かない場合もありますので注意が必要です。例えば5年もの約定利率1.10%に預けて、6カ月以上1年未満で解約した場合は、1.10%×30%となり、0.33%となります。
参照:SBI新生銀行「パワーダイレクト円定期預金(パワーダイレクト専用円特別定期預金 商品説明書)」