亀山早苗の恋愛コラム

下着姿の妻がSNSに……。知人から明かされた“妻の別の顔”に、46歳夫が「決意したこと」

妻がSNSをやっているのは知っていた。妻は単なる記録だと言っていたので夫は安心していたのだが、実は単なる記録ではなかった。妻の心には大きな穴が空いていたのだが、夫にはそれが理解できていなかった。※サムネイル画像:PIXTA

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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どうしてそこまで承認欲求が強いのか分からない……(画像出典:PIXTA)

どうしてそこまで承認欲求が強いのか分からない……(画像出典:PIXTA)

いい妻、いい母だと思っていたのに、自分の知らないところで妻が意外な面を見せていた。それを知ったとき夫はショックを受ける。自分の何がいけなかったのか、今は真摯(しんし)に振り返りつつ、妻との関係をいちから見つめ直しているところだと語る男性がいる。

スマホで写真を撮るのは知っていたけれど

スマホを手に入れてから、多くの人々が気軽に写真を撮るようになった。中には、とにかく写真を撮ってからでないと行動を起こせない人たちもいる。カフェやレストランで必ず撮る、友達に会った瞬間、写真撮ろうと誘う、どこにいてもスマホを手放せない人たち。それがいけないとは思わないが、ときには自分の目で見て脳に焼きつけることを考えてもいいのではないかとさえ感じることがある。

「うちの妻も写真を撮るのが好きでした。家族でどこかに行けば、ずっと写真を撮っている。娘や息子にも『ママ、自分の目で見たら?』と言われている始末。『分かってる。でもその前に写真。ほら、そこに並んで』と子どもたちは写真を強要されていましたね」

そう言うのはジュンジさん(46歳)だ。写真を撮り、それを整理しているときの妻は楽しそうだったから、彼は妻の“趣味”を、ときに面倒だなと思ってもとがめはしなかった。

「家族で食事に行ったとき、せっかく料理が来ても、『ちょっと待って』と妻が撮影するのを待たなければいけない。それが面倒だった。息子なんてわざと妻が撮る前に料理に手をつけてよく怒られていました」

妻がSNSをやっているのは分かっていた。子どもたちとオレの顔は載せないでほしいと伝え、「分かってる」と返事をもらっていたので安心してはいた。なんてことない日常を載せているだけ、単なる記録よと妻は言っていた。

「ただ、単なる記録ではなかったんです」

現状に不満ばかりの妻

妻は同じ会社の2年後輩だった。結婚当時、妻は仕事を続けるつもりだったのだが、長女は生まれたときから体が弱く、妻は仕事を諦めた。その後、長男も産まれ、妻は30代のほとんどを子育てに費やした。

40代になってようやくパートで仕事を再開したが、よく「私はこんな仕事をするために生きてきたわけじゃないのに」と文句を言っていた。一方で仕事をしながら資格を取得した、かつての同期に対しても「あの人は独身だからできたのよね。家庭を持っていたらとてもできることじゃない」と言うこともあった。

「不満は言うけど、努力はしない。今の生活に満足せず文句ばかり。僕は弱かった長女が成長するにつれて元気になっただけで、娘にも妻にも感謝していたのに」

そんな妻は、単なる記録以上にスマホ撮影にこだわっていたわけがあった。

妻の友人から明かされた“本音”

ある日、社内で妻の同期だった女性とばったり会った。彼女は「最近、すごいことになっているけど大丈夫?」と声をかけてきたという。

「妻のSNSのことでした。見たことないけどと言ったら、その場で彼女が見せてくれたんですが……」

そこにあるのは驚くべき写真ばかりだった。うっすらと顔が写った下着姿、さまざまな下着を身につけて鏡に映る姿。ダイエットをして痩せたのは知っていたが、妻はその姿を他人に見せびらかしたいようだった。

「男性たちから卑猥(ひわい)なコメントもついていました。一方、別のSNSではおいしそうなものばかりアップし、おしゃれなカフェにいる自分の姿も載せていた。顔は分からないけど、いつも違う服を着ていて……。妻があんなに洋服を持っているはずがないのに」

ジュンジさんは、その同期に妻から何か聞いていないかと尋ねてみた。

「少しメッセージのやりとりをしてみたら、自分の存在価値が分からないと言っていたって。一方で、『私はインフルエンサーとして活躍しているから』とも言ってると。インフルエンサーがどういうものか分かりませんが、同期が言うには彼女は生きている実感をほしいと思っているみたいだったって」

それが何なのかジュンジさんには分からない。日々、仕事をして家庭があって元気な子どもたちがいる。彼はそれだけで満足していた。てっきり妻もそうだと思っていた。だからこそ、妻の心に大きな穴が空いていることが理解できなかった。

妻の危機を救いたい

「ある晩、妻に聞いてみました。とがめるつもりはなかった。ただ、妻の心のうちを知りたかった。『私はこんなつまらない生活をするために生きてきたのかと思うと、なんだかつらくて』と妻は泣いていました。誰からもかまわれない、誰からも褒められない、ただの妻、ただの母親。そんなの嫌だと」

妻は女子校時代、近くの男子校から顔を見に来る男子がいたほどかわいかった。大学時代は、ミスキャンパスに選ばれたこともある。会社に入ったときも先輩たちからちやほやされた。だが結婚したら、完全に「ジュンジさんの妻で、子どもたちの母親」でしかなくなった。

「それがずっと不満だった。だからSNSに華やかな自分をアップしていた。洋服や小物はサブスクで借りているらしい。妻の気持ちは理解できない。でも焦燥感にかられていることは分かった。じゃあ、きみはどう生きたいのかと聞くと答えられない。そこが問題なんじゃないのかと思わず言ってしまいました。妻は黙り込んでいた」

もう少し、妻に寄り添った発言をするべきだったと思ったが、取り返しはつかない。彼は妻に詫びた。そして「オレは誰よりきみを認めているし、きみを大事に思っている。それだけじゃダメなのか」と問い掛けた。妻の危機を救いたい。彼は心からそう思っているそうだ。それから1カ月、ごく普通の日常生活は続いている。これからどうしたらいいのか、妻はどうしてほしいのか。それをゆっくり話し合っていくつもりだと彼は言った。

夫のせいではないのかもしれないが、結婚生活で「自分が摩滅している」と感じる妻は少なくない。まじめな女性ほど、他にストレス発散したり自己表現する場を見つけられなかったりして自分を追いつめていく危険性もある。そんなときこそパートナーの寄り添う姿勢が重要になってくる。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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