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米は「売るほどある」修正→撤回→結局辞任…実は政治家が発言をなかったことにする原因は国民にあり?(2ページ目)

先日、講演会での発言が批判を浴び、発言を修正、撤回したものの最終的には辞任に追い込まれた江藤拓前農水大臣。実は政治家がよく使う発言の「修正」「撤回」には意味があります。そして使う理由を考えると、われわれ国民が反省すべき点が浮き彫りになります。※写真:つのだよしお/アフロ

松井 政就

執筆者:松井 政就

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政治家の発言における「修正」と「撤回」の違い

私たち一般人も自分の発言を修正や撤回することはあり、その場合、両者を厳密に区別することはありません。しかし政治家となると話は別です。なぜなら彼らが発言を「修正」したり「撤回」したりするのは、私たち一般人とは意味が異なるからです。

彼らの発言は基本的に背後の利害関係者に向けられています。それが発言の訂正方法に「修正」と「撤回」がある理由のうちの1つです。

「修正」とは、発言の根幹は維持した上で細かな部分を変更するものです。政治家の発言とは基本的に自らの支持者や関係する業界といった利害関係者を意識したものなので、発言の根幹は変えず、その人たちへの義理を果たした上で、細かな修正は受け入れるというやり方です。

これに対して「撤回」は、苦しい立場に追い込まれ、発言そのものをなかったことにするしか助かる道がないときに行います。要するに「言わなかったことにしてください」というものです。

撤回すれば発言は消えるの?

では、撤回すれば発言は消えるのでしょうか? 

結論から言えばノーです。一度口から出た言葉は消すことができません。発言を撤回したという記録が残りますし、聞いた側の記憶にも残ります。

だとすれば撤回しても意味がないじゃないかと思われそうですが、なぜ、なかったことにできるのか? 

その原因は実は私たち国民にあります。

>次ページ:政治家に悪用される国民の性質
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