せっかくの旅行を安心して楽しむためには、お金の準備がとても大切です。旅の目的や予算をはっきりさせて、無理のないスケジュールと持ち物を整えておくことで、トラブルを避け、旅を満喫できます。
今回は、シニア世代の方が小旅行を楽しむ前にしておきたい「お金の準備」について、分かりやすくご紹介します。
シニアが旅行前にしておきたいお金の準備1:旅行の目的と予算を決める
まず大切なのは、「この旅で何をしたいのか」を明確にすることです。例えば、「久しぶりに温泉でゆっくりしたい」「昔訪れた土地を再び巡ってみたい」「旬の味覚を楽しむ食の旅がしたい」など、目的をはっきりさせることで、旅のイメージが具体的になります。
目的が定まったら、次に全体の予算を決めましょう。例えば1泊2日の温泉旅行の場合、以下のような費用を想定できます。
【旅行予算の内訳・例】
・交通費:往復の電車代やバス代(例:新幹線や特急利用で往復1万5000円)
・宿泊費:1泊2食付きで1万5000円程度
・食費:昼食・お茶代などで5000円程度
・観光費用:入館料などで2000円程度
・お土産代:2000円程度
・予備費:全体の1~2割、5000円前後あると安心
合計すると、1人あたり約4~5万円が目安になります。さらに、少しぜいたくをしたい場合は「+1万円」コンパクトに抑えたいなら「▲5000円」など、自分のライフスタイルに合わせて調整しましょう。
ポイントは、「背伸びをせず、無理のない範囲で余裕をもって」計画を立てること。お金の不安が少なければ、旅先での時間を心から楽しむことができます。
シニアが旅行前にしておきたいお金の準備2:移動と宿泊を事前にしっかり予約
旅行の計画を立てる際には、移動手段と宿泊先の予約がとても重要。シニア世代の旅では、「体に無理のないスケジュール」を意識することが、旅を快適に楽しむコツです。●移動手段の予約は早めに&割引活用がお得!
新幹線や特急、飛行機などの交通機関は、早期予約で割引料金が適用されるケースが多数あります。予定が決まったら、できるだけ早めに座席を押さえましょう。
また、シニア向けのお得な割引制度としておすすめなのはJRが提供しているシニア向けサービスの「ジパング倶楽部」。以下に簡単な概要をご紹介します。
【対象者】
・満65歳以上なら誰でも入会OK
【年会費】
・年会費:3840円(税込)
【主な特典】
・全国のJR線のきっぷが年間20回まで最大30%割引(※利用条件あり)
・JR西日本線のきっぷがネット購入で何回でも30%割引(おとなび会員(WESTER ID)とJR西日本ジパング倶楽部の会員番号と結びづけが必要です)
・JRホテルグループのホテルが優待料金で利用可能
例えば、東京~金沢間の往復(新幹線)でジパング割引を利用すれば、通常2万円以上の運賃が数千円お得になることも。このようなシニア割引をうまく活用しましょう。
●宿泊先は「体への配慮」で選ぶ
宿泊先選びも、旅の満足度を左右する大事なポイント。以下をチェックして選ぶと安心です。
・バリアフリー対応かどうか(段差の有無、手すり、エレベーターなど)
・部屋のお風呂がユニットではなく、使いやすいタイプか
・食事の内容や時間に、柔軟に対応してくれるか(アレルギー対応など)
また、「温泉付きだけど食事は簡単に済ませたい」など、ご自身の好みに合わせたスタイルを選ぶのもよいでしょう。
●観光やアクティビティは、費用と体力を考慮して計画
行きたい場所がいくつかあったとしても、1日に回るのは2~3カ所までに絞るのがベター。例えば「午前は庭園を散歩、午後はカフェでゆったり」など、時間にゆとりを持ったスケジュールが、心にもお財布にもやさしい旅につながります。
事前に無理のない計画を立て、移動・宿泊をしっかり押さえることで、当日は安心して旅を満喫できます。小さな配慮の積み重ねが、楽しい思い出をより確かなものにしてくれるでしょう。
シニアが旅行前にしておきたいお金の準備3:お金まわりの持ち物チェック
旅行中は普段と違う環境になるため、お金の管理や緊急時の備えをしておくことが安心につながります。とくにシニア世代にとっては、「あってよかった」と思える準備が旅の満足度を大きく左右します。●現金は「分けて・崩して・備える」が基本
旅先ではクレジットカードやスマホ決済が使えるとは限りません。観光地の売店や、地域のバス・タクシーなどは現金のみのケースもあるかもしれません。ある程度の現金は持っておきましょう。
【現金の持ち方の工夫】
温泉地のロッカー(100円硬貨)や売店などでは、1万円札ばかりでなく、千円札や小銭を多めに準備しておくと安心です。また、現金は1つにまとめず、財布・ポーチ・衣類の内ポケットなどに分散しておけば、万が一の紛失・盗難にも備えらえます。
●カード・キャッシュレス決済の確認も忘れずに
大手チェーンのホテルや駅ナカ施設ではカードやスマホ決済が使えることが多いですが、事前に以下を確認しておきましょう。
・宿泊施設や観光地の支払い方法(カードOKか?)
・スマホの決済アプリの設定はできているか、既にチャージは済んでいるか?
・交通系IC(Suica、ICOCAなど)のチャージはできているか?
●「医療」と「緊急時」の備えもセットで
思いがけない体調不良やけがに備えて、以下は必ず準備しておきましょう。
・健康保険証(コピー可)
・常備薬や持病の薬(数日分の余裕を持って)
・かかりつけ医の連絡先や、服用している薬のリスト
・緊急連絡先をメモして財布に入れておく(家族・友人など)
クレジットカードには国内旅行保険が付帯されているものがあります。利用ができるかどうか出発前に確認しておきましょう。利用できない場合は、国内旅行保険(数百円~)に加入しておくと、ケガ・盗難などの補償を受けられます。インターネットから申し込めるものもあるので、確認してみましょう。