弁護士に相談を
さて、先述した「証拠を残す」ことと、「自分なりの収入を得る」ことの準備が整ってきたら、弁護士に相談することをおすすめします。夫と話し合いを行う際、2人だけで進めようとすると、今まで通り圧力をかけられて負けてしまう気がします。そこで、第三者に入ってもらって2対1の構図を作ると、いくばくか言いたいことが言える安心感が生まれるのではないでしょうか。話し合いではできる限り自分の気持ちを正直にぶつけてみましょう。それでも難しい、夫の前に立つと言いたいことも言えないといった場合は、あらかじめ弁護士と打ち合わせをしておいて、代弁してもらうのがいいでしょう。
夫の反応次第では離婚も視野に
その結果、うまいこと夫が変わってくれれば儲けものです。夫がこれまでの非を認め、「親との同居はしなくていい。とんでもないことを言ってすまなかった。これから母さんとは関わらなくていい。全て俺がやる」とまで言ってくれたら、まずまずでしょう。しかし、それでも油断はできませんが。もしも夫が非を認めず「自分は悪くない、全てお前がやれ」といった具合で話してきたら、夫から言い出してきたわけですから、離婚もありではないかと筆者は思います。
アケミさんが夫のことが好きで好きでたまらない、どうしても一緒に暮らしたいという思いが強ければ、ある程度自分自身を犠牲にする必要があるのかもしれません。しかし、そうでないとしたら、何にこだわる必要があるのでしょう。
今、アケミさんは子育てが終わって一段落ついている状態。これから大きなお金が必要になるライフイベントはそうそうないわけです。それならば、自分がこれから生活していくのに十分なお金があればなんとかなるのではないか。嫌な思いをし続ける必要はないのではないかと筆者は考えるのです。
もし義実家の介護を夫が担うことになったとしても、夫はすぐに音を上げるはず。なぜなら、自分の家のことすら満足にやったことがない人ですから。介護という難易度が高いことを賢くこなせるはずがありません。おそらく、義母との間でもすぐにけんかになってしまうでしょう。
このタイミングで「介護保険を使ったらどう?」「お父さん、リハビリをやってみたらどうかしら」「将来的に施設への入居も必要になるんじゃない?」といった話をすると、夫は受け入れやすいかもしれません。夫は実際に経験して「介護はとても大変だ」と気が付いたわけですから、さらなる苦労はなんとか回避したいでしょうし、夫婦で協力すればうまく対処できるだろうと思う可能性もあります。
また、夫の言うことなら、義母も嫌だとは言いにくいでしょう。もちろん親子げんかは起きるでしょうが、夫が本気を出して何としてもこうするのだと言ったら、義母がそれに抗う術はあまりない気がします。