「豪ドル建ての保険をすすめられていますが、入るべきか?」
筆者は個人投資家なのですが、外貨建ての保険には入ったことがありません。本記事では、どうして筆者が外貨建て保険に加入しないのかを解説していきます。
豪ドル建の保険をすすめられていますが、入るべきか?
豪ドル建ての保険といえば、日本円ではない、外貨建ての保険ですね。おそらくではありますが、
- 円だけを持っているのはリスク
- 銀行にお金を預けても金利は雀の涙
- 外貨建てなら高い利息を受け取れる
確かに円を持つなら円をもつリスクがありますし、日本の銀行にお金を預けても金利は雀の涙です。また、外貨建ての利息は確かに円建てと比べて高いですね。
それでも筆者は外貨建て保険には手を出していません。その理由は「複雑でよく分からないから」です。
外貨建て保険にはいくつかの機能があります。例えば、「高い利息」「保有通貨の分散」「積立による資産形成」みたいな感じです。
1つで全部できる!みたいな感じが、とてもよいように見えます。
しかし、いろんな会社の「儲け方」や「戦略」をたくさん勉強した筆者からすると、「なるほど、商品を複雑にして有耶無耶(うやむや)にすることで、なんとなくよさそうだけどお得かどうか分かりにくくしたいんだなあ」みたいな、うがった見方をしてしまいます。
お客さんにとっては「シンプルで分かりやすいのがよい」のはいうまでもありませんが、それでは売り手が儲からないから、あの手この手を使って複雑で分かりにくくして、高い手数料を取る口実にしているように見えるのです。
事実、この「うやむや作戦」を使う会社はたくさんあります。
携帯を契約する時などは、プランが複雑で「結局、どこが一番お得かが分からない!」と混乱します。保険商品なんかも、保障の対象が千差万別なので、単純に比較することはできません。
機能が増えれば増えるほど「あっても困らないけど、別にほしいとも思っていない機能」が付いてきますし、余計な機能が増えれば増えるほど余計なコストもかかってきます。
筆者も難し過ぎて「もういいや!分からないからここで契約してしまえ!」と契約して、割高な契約をしてしまったこともあります。
こういう作戦もあるので、コスパが気になる筆者としては、「オールインワン」的な解決を目指すのではなく、一つひとつの要素に分解して、一つひとつ不安を解決していくのがよいと思います。
通貨リスクを分散したいなら、外貨を持つ。高い金利がほしいなら、金利が高い商品を探す。この2つを解消したいなら、「外国債を持つ」というのがコストも安く無難な気がしています。
低金利が問題なのであれば、これは外貨建て商品でなくとも、REITを買ったり、株式投資信託を買ったりすればいい気がします。むしろ外貨建てにすることで、為替リスクという別のリスクが出てくるので、それはそれで問題が複雑になります。
もろもろ踏まえて「高い利息」「保有通貨の分散」「積立による資産形成」などを実現していけばいいと思います。
「これ1つでいろいろできる!」と聞くと聞こえはいいですが、言い方を変えれば「目的がはっきりしない、なんとなくよさそうだけれど割高なものを売りたいのだろうな」ともとらえられます。
どんな金融商品を買うときもそうなのですが、「複雑だからよい」というものはなく、本来ならできるだけシンプルで理解しやすく、低コストで目標達成できるのがベストです。
「難しいことは分からないけれど、なんとなく良さそう!」で買うと、取引相手が善人ならよいでしょうが、少しでも高値で売りつけようとする相手だと損をしてしまいます。
豪ドル建ての保険を買うときに検討したいこと
「豪ドル建の保険」については、- 保険業者は誰で、過去に不祥事を起こしたことがあるのか?
- 外貨建て保険特有の「落とし穴」は何があるか?
- なぜ豪ドルか?(別の通貨じゃダメなのか?)
- オーストラリア国債に投資した場合と比べて、どれだけ余分なコストがかかるのか?
- 豪ドルで利殖したとして、売るときに円高になるリスクはどれくらいだと考えるのか?
- 単に掛け捨ての保険に加入して、浮いたお金を日本円建てで不動産投資や株式投資などに回すのではダメなのか?
iDeCoやNISAの積立などを使えば税制優遇を享受しながらコストの安い投資信託に投資できます。それで十分だろうと思います。
筆者はほとんど保険に入っていませんが、理解しやすくて加入したのは「いつでも100%以上のお金が戻る積立保険」くらいです。
契約書をしっかり読んで、「きちんとリスクを理解した」上で加入するのがよいと思いますが、筆者であれば「代替商品も含めて理解できるまで判断を保留する」かと思います。