人間関係

“洗濯機を断捨離”した磯野貴理子に驚きの声。独身アラ還女性に聞いた断捨離&終活事情

61歳の磯野貴理子さんが、“洗濯機なし”の生活についてトーク番組で語った。断捨離、終活を進める磯野さんの話に賛否両論が巻き起こっているが、同年代の女性たちはどう考えているのだろうか。独身アラ還女性たちの事情を聞いた。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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独身アラ還女性は断捨離についてどう考えているのだろうか

独身アラ還女性は断捨離についてどう考えているのだろうか

タレントの磯野貴理子さん(61歳)が、トーク番組で「洗濯機が壊れたので、もう買わない」と洗濯機なしの生活を4カ月続けていると述べた。

シーツなどの大きなものはコインランドリーを利用しているという。その他は手洗いで問題ないが、洗濯機で重要なのは脱水だと気付き、脱水が大変なバスタオルも断捨離。フェイスタオルでじゅうぶんだと語った。

まだ61歳と平均寿命からいっても若いのだが、2度の離婚や脳梗塞を患ったことなどから、身軽な生活を心がけようとしているのかもしれない。独身アラ還女性たちは、こういう告白をどう受け取ったのだろう。

今のままでいい

「私もあと3年で65歳の定年を迎えますが、その後も働き続ける予定です。独身だから仕事を辞めたら一気に老けてしまいそうで。それが一番不安です」

ミカコさん(62歳)はそう言う。断捨離はまったく考えに入っていなかったと笑った。とにかく忙しくしていないと不安になるのは「この世代の特徴かしら」とも話した。

「断捨離よりむしろ、私はどうやったら合理的に便利に暮らせるかの方を考えていますね。掃除機をかけるのが大変だからルンバにしたり、アイロンをかけたくないからノーアイロンの服しか買わないとか、クリーニング代が高くつくから高い服はもういらないとか。洋服は3年をめどに断捨離しています。前年、着なかったものはもう着ないのだから、それは思い切って捨てる。それは50代からそうしています。服は買わなくなりましたね」

家の中にものは多いが、それもまたよしとしていると彼女は言う。きれいに片づき過ぎた、もののない部屋は不安をあおる。どこか生活感がある暮らしを楽しんでいきたいという。

見られたら恥ずかしいものも……

「こういうのって2つに分かれるかもしれませんね。殺風景過ぎるほどもののない暮らしを好む人と、雑多だけどそのほうが安心する人と。私は後者なんでしょうね。見られたら恥ずかしいようなものもまだ残っています。若いころにもらったラブレターとか(笑)。それはもうちょっと年をとったら捨てるつもりです」

ただ、自分の最期などいつどこになるかは予測がつかない。突然、病死するかもしれないし事故に遭うかもしれないのだから。あまりに先を考えるより、「私は今と明日を見る生活のほうが性に合っている」そうだ。

おいやめいっこなど、時々連絡をとりあう親族がいるだけに、あまり先を心配しなくてもいいのかもしれないとミカコさんは笑顔を見せた。

天涯孤独の私は……

母と姉だけが家族だったトモコさん(63歳)は、こう過去を振り返った。

「50代後半は、とても不安でした。母を見送り、これからは姉と二人で気楽に生きていこうと話していた矢先、姉が急死してしまった。精神的に参って1カ月ほど会社を休みました。でも一人で家にいるとろくなことを考えない。思い切って仕事に復帰し、生活のリズムを取り戻しました。もちろん、寂しくてたまらないときもあったけど、現状を受け入れるしかなかった」

60歳で一応定年を迎えたが、そのまま嘱託として仕事を続けている。2度目の定年は自分で決めていいことになっているので、「こうなったら働けるだけ働くつもり」だそうだ。

「断捨離、けっこうしましたね。特に母と姉のものを。捨てるなんて情がないとは思ったけど、思い出はたくさんあるからものはいらない。母がずっと身につけていた指輪と姉のネックレスだけ残して、二人の衣類やアクセサリーは全部処分しました。私が今やらなければ、ゴミ屋敷になりそうで怖かったんです」

もし病気になったら、もし認知症になったらと思うとやらずにはいられなかった。還暦を過ぎると、そうした恐怖感が実感をもって迫ってくるのだとトモコさんは言った。もちろん、人による。天涯孤独になっても最後は行政がどうにかしてくれるだろうとあっけらかんと割り切る人もいるかもしれない。

死後の始末はきちんとしたい

「私も、もはや係累なしの天涯孤独ですけど、70歳になったら終活して、司法書士事務所と死後事務委任契約を結ぼうと思っています。いくつまで生きるか分からないし、経済的にやっていけるかどうかも分からないけど、90歳まで生きるつもりが75歳でいなくなる可能性もあるから……。死後のことだけはちゃんと始末していきたいですね」

そう決めてから、少しは気が楽になり、今生きているこの日々を楽しもうと思えるようになったという。

「私の母は95歳で亡くなったんですが、90歳を過ぎてからの5年間は足腰が弱って自由に外出もできなかった。毎日、家でテレビを見ているだけの日々は、実はつらかったんじゃないかなと思う。死ねない苦しみというのもあるんでしょう。でも自分の死に方は自分で決められない。人生、最後まで思い通りにはならないんでしょうね」

少し潤んだまなざしで、トモコさんはそう言った。
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