この相場格言は日本でも有名ですが、日本株にも有効なのでしょうか?
株は5月に売って9月に買うといい?
早速調べていきましょう。日本株を「5月に売って9月に買う」と利益につながるかどうか、過去の価格データを集計して調べてみます。本記事では、野村アセットマネジメントの上場投信である「NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信<1321>」が、5月から9月にかけてどのように値動きしているかを調べてみました。
2004年から2024年までの21年分の価格データを集計した結果、以下の結果が得られました。画像のグラフをご覧ください。 これは、日経平均株価連動型ETF※の累積リターン(単利)を集計したものです。
相場格言に従って「5月に売って9月に買う(順序的には9月に買って5月に売る)」場合と、逆に「5月に買って9月に売る」場合とで、どんな成績だったかを調べました。
※ETFとは上場投資信託のこと
グラフを見れば分かるように、5月から9月にかけては同ETFは値下がりしました。一方、9月から5月にかけては同ETFが値上がりしたことが分かります。
この一因には、このETFは7月に分配金の支払いがあります。これは株式投資でいう配当金みたいなものなのですが、分配金の支払い直後に評価額が下がることもよくあるからです。
とはいえ、日経平均株価の配当利回りはせいぜい2~2.5%ですから、仮にそれを加えて考えたとしても、5~9月は上がりにくい時期だったように見えます。
夏枯れに要注意
ちなみに日本株の場合、特に7~8月に株価が下がる傾向があります。これを「夏枯れ」と言います。夏枯れが起きる原因は諸説ありますが、(1)6月に配当再投資のピークが来ること、(2)6月は夏のボーナスによる投資のピーク期でもあること、という2点から、夏休みに入って急激に資金流入がやみ、株価が下がるのだと筆者は考えています。
参考までに、夏枯れ相場(7~8月)の日経平均株価の成績も集計しました。63年分のデータを調べたので、より長期の傾向が見て取れます。画像のグラフをご覧ください。 グラフを見れば分かるように、日経平均株価は7~8月に下がる傾向が見られました。
ですから、株を売るなら「7月あたり」、株を買うなら「9月あたり」をめどにするとよいかもしれません。
もちろん、この経験則が崩れる可能性もあるので、「参考程度」の判断材料として考えておくとよいかと思います。