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2025年度からの保険料改定で注目!「後期高齢者医療制度」の仕組みとは?

70代を迎えると、医療費の負担や制度について気になる方も多いのではないでしょうか。今回は、後期高齢者医療制度の基本から加入手続き、自己負担の仕組み、そして改定された保険料の内容までを、初心者にも分かりやすく解説します。

舟本 美子

執筆者:舟本 美子

おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド

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70代を迎えると、医療費の負担や制度について気になる方も多いのではないでしょうか。中でもよく耳にするのが「後期高齢者医療制度」。

「そもそもどんな制度?」「保険料はどのくらい?」と疑問を持っている方も少なくありません。

さらに、2025(令和7)年度からは保険料の改定も行われ、注目が集まっています。

今回は、制度の基本から加入手続き、自己負担の仕組み、そして改定された保険料の内容までを、初心者にも分かりやすく解説します。
2025年度から保険料改定で注目!「後期高齢者医療制度」の仕組みとは?

2025年度から保険料改定で注目!「後期高齢者医療制度」の仕組みとは?

「後期高齢者医療制度」とは?

「後期高齢者医療制度」は、75歳以上の人を対象にした公的医療制度で、2008(平成20)年にスタートしました。それまでの「老人保健制度」に代わり、高齢者の医療費を社会全体で支えるために設けられた制度です。

​この制度では、75歳の誕生日を迎えると、自動的にこれまでの健康保険(国民健康保険や会社の健康保険など)から切り替わり、新しい保険証が交付されます。​また、65歳以上で一定の障害がある方も、申請により加入できます。

その際、被扶養者として健康保険に加入していた75歳未満の配偶者などは、新たに国民健康保険への加入手続きが必要になる場合があります。家族全体の保険状況を確認し、必要な手続きを行いましょう。

なお、2024(令和6)年12月2日以降、紙の保険証の新規発行は終了し、マイナンバーカードを健康保険証として利用する「マイナ保険証」が基本となりました。​2024(令和6)年12月1日時点でお手元にある有効な保険証は、2024年12月2日以降も住所などの記載事項に変更がなければ、2025(令和7)年7月31日まで使えます。

マイナ保険証をお持ちでない方や、マイナ保険証の利用が難しい方には、「資格確認書」が交付され、医療機関での受診が可能です。​また、マイナ保険証をお持ちの方には、「資格情報のお知らせ」が送付されます。​これらの措置により、全ての方が安心して医療を受けられる体制が整えられています。
出典:保険証|東京都後期高齢者医療広域連合公式ウェブサイト

出典:保険証|東京都後期高齢者医療広域連合公式ウェブサイト

後期高齢者医療保険料っていくら?2025年度から増額へ

後期高齢者医療制度の保険料は、被保険者全員が均等に負担する「均等割」と、所得に応じて負担する「所得割」の合計で決まります。​

2025(令和7)年度の保険料率は前年度と同じで、被保険者1人当たりの平均保険料額は、全国平均で月額7192円(年額8万6306円)となる見込みです。​

これは、2024(令和6)年度の7082円から110円(1.6%)の増加となります。​なお、保険料は都道府県ごとに異なり、各後期高齢者医療広域連合が決定します。​

また、保険料の支払い額が変わるのは、振込み・口座振替などの人は7月から、年金引き落としの人は10月受け取り分からとなります(お住まいの市区町村によっては時期が異なる場合があります)。

参照:240329-1100_後期高齢者医療制度の令和6・7年度の保険料率について(プレスリリース頭紙)

医療機関などにかかるときの自己負担は?

後期高齢者医療制度に加入している75歳以上の方が医療機関を受診する際の自己負担割合は、所得に応じて以下のように区分されています。

●1割負担(一般所得者等)
・住民税非課税世帯の方
・住民税課税所得が28万円未満。
・世帯内の後期高齢者の年金収入とその他の合計所得が、単身世帯で200万円未満、複数人世帯で320万円未満。

●2割負担(一定以上所得のある方)
・住民税課税所得が28万円以上145万円未満。
・世帯内の後期高齢者の年金収入とその他の合計所得が、単身世帯で200万円以上、複数人世帯で320万円以上。

●3割負担(現役並み所得者)
・住民税課税所得が145万円以上。
・収入が単身世帯で383万円以上、複数人世帯で520万円以上。

なお、自己負担割合は毎年8月1日に見直され、前年の所得状況に基づいて判定されます。​
出典:東京都後期高齢者医療広域連合「自己負担割合の判定基準」

出典:東京都後期高齢者医療広域連合「自己負担割合の判定基準」

高額療養費制度の適用と配慮措置

医療費が高額になった場合、自己負担額が一定の上限を超えると、超過分が「高額療養費」として払い戻されます。​

また、2022年10月から2025年9月までの間、2割負担の対象となる方には、外来医療の自己負担増加額を月額3000円までに抑える配慮措置が設けられています。​

まとめ

後期高齢者医療制度は、75歳以上の高齢者を対象にした医療制度で、所得に応じて1~3割の自己負担で医療を受けられます。2025年度から保険料が全国平均で引き上げられる一方、配慮措置なども用意されています。制度を正しく理解しておきましょう。
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