
株の下落に耐えられません
「私はお豆腐メンタルです。トランプ大統領の発言で株式市場が下落するのに耐えられません」(30代)
4月3日早朝、トランプ米大統領は「相互関税」を打ち出しました。これは歴史的に高い税率で、投資家の動揺を誘い、世界同時株安につながりました。
筆者は日本株の個別株投資家で、足元の暴落で10%近く資産評価額が減りました。
「素晴らしい」と思っている会社の株が下がるのは気分のよいものではありません。
そんな厳しい状況でも筆者が投資を続けるのには理由があります。本記事では、なぜ株式市場が上下しても投資を続けるのか、筆者の考えをまとめていきます。
投資スタイルは人それぞれ
「リスクが嫌だ」と感じるのは、人間だったら自然です。ご質問者さまは、きっとリスクに敏感な方なのでしょう。
リスクに敏感なのは投資家にとっては心強い武器にもなります。周りよりも危険に気付くのが早いので、先手を打って対処できるからです。
とはいえ、「リスクが嫌」なのは誰でも同じですが、嫌なことは向こうから勝手にやってきます。
多くの場合、投資家の恐怖は「無知」や「準備不足」からきます。なので「どうリスクに備えるか?」を自分なりに模索していくのが大事だと思います。
「嫌だ嫌だ」と受動的・後手後手にリスクに対処するか、「先回りしよう」と先手先手にリスクに対処するかの違いじゃないでしょうか。
日本人であれば、多少の差はあれ地震に備えています。
命を失う大きなリスクがありますが、「地震が起きてから」ではなく「起きる前」に対処しているわけですね。だから、いざ危険があっても冷静に対処できるわけです。
トランプリスクに関しても、大きなところは関税絡みの話でしょうから、ここのところを押さえておけばよいように思います。
また、どんなに備えても避けられない不確実性もあります。このあたりは、「どれだけ不確実性を許容できるか」を、自分のキャパシティーとして把握しておくことが大切だと思います。
株価の上下は気にしない
次のグラフをご覧ください。 これは、筆者が目指している株式投資のゴールです。このグラフのように金融所得を右肩上がりに増やすことを目指しています。配当だけの利回りが「配当利回り」(配当÷株価)で、配当と成長投資の両方を合わせた利回りが益回り(純利益÷株価)ですね。
益回りが10%なら、全額配当に回せば配当利回り10%となることから、理論上、目先の投資リターンは益回りに連動します。
不動産投資をしている人が「毎日、地価をチェックしています!」なんて話は聞いたことがありません。家賃収入10万円の物件を持っているなら、空室さえなければ安定した収入になるからです。
筆者は株式投資でも同じスタンスを貫くべきだと考えています。
「株価の乱高下なんて気にしなくても、金融所得が増えていれば問題ない」「質が高い収入源を、安く買って持っていれば大丈夫」と考えているのです。
トランプリスクの濃淡
もちろん、トランプ大統領の政策が金融所得に影響を与える可能性もあります。例えば、アメリカへの輸出比率の高い会社の場合は関税が足を引っ張って業績が悪くなるリスクがあります。
とはいえ、トランプリスクは投資先によって濃淡があります。
アメリカへの輸出比率が高い会社はマイナスが大きいかもしれません。
しかし、日本の食品メーカーや、運送会社、建設会社などはトランプ関税とは縁がないので、過度な警戒は要らないと思います。
まとめると、
- リスクに敏感な性格は、投資において「先手を打つ」武器になる
- 投資スタイルは人それぞれであり、自分に合ったリスクとの付き合い方が大切
- どんなに備えても避けられない不確実性もある
- 株価の上下ではなく、金融所得(配当+成長)を右肩上がりに増やすことが投資の本質
- トランプリスクは全ての企業に同じ影響を及ぼすわけではない
トランプリスクは怖いですが、怖がっていても前には進めません。怖いなりに「どう先手を打って備えるか?」「どこまで不確実性を受け入れるか?」を自分なりに突き詰めることが大事なのだと思います。