熊谷真実さんの新幹線内での行動に賛否
持ちこんだ朝食については、「あ、糠漬け臭うかな」(原文ママ)としながら急いで食べたとも記しており、他に特に匂いがきつそうなものもない。それでもああだこうだと文句をつけたがる人たちは後を絶たない。その後、熊谷さんは投稿を削除した上で謝罪コメントを投稿している。駅弁の中にはそれなりに匂うものもあるのに、なぜ持ち込みに関してはこれほど厳しい意見が飛び交うのか。
彼女が有名人だからなのか、あるいは「買った弁当はいいが、持ち込みはダメ」「持ち込んでドヤ顔してる」(決してそうは見えないが)と思う人が多いからなのか。いずれにしても「不寛容」な時代だとつくづく感じさせられるできごとである。人はなぜ、そうやって自分の首を締めて生きづらい世の中を作っていくのだろうか。
30代女性「匂いがつらいというなら、むしろ……」
「私も出張などで新幹線移動をしますが、食べ物の自然な匂いは、よほどきつくない限り、気にはなりませんよね。むしろ夜遅い時に酔っ払ってる男性がいる方がつらい。あとは靴を脱いでる男性。1日靴の中で蒸れている足の臭いこそ迷惑です」そう言うのはマナミさん(38歳)だ。なにを臭いと感じるかには個人差があるが、足の臭いは多くの人が不快に感じるだろう。国内線の飛行機や新幹線の中で、靴を脱いでいる男性はよく見かけるが、その悪臭に本人は気づいていないようだ。
「香害というなら、衣服の香り付き柔軟剤がつらいですね。特に満員電車の中では、いくつかのメーカーのものが混ざり合うようで、雨の日など湿度の高い時は吐き気すら催してしまう。それに比べたら、新幹線での飲食なんてどうってことないですよ」
それでも熊谷さんの持ち込み弁当について批判があるのは、「楽しそうな写真を見て妬んでいるんじゃないですか」とマナミさんはバッサリ。
「人が楽しそうな写真をアップしていると文句をつける人は一定数、いるんだと思う。そしてその数が増えているのかもしれません。私は幸せな人はどんどん幸せオーラをまき散らせばいいと思うし、あやかりたいとつぶやきながら微笑ましく感じますが、世の中は幸せな人を叩くのが趣味みたいな人がいる。なんだか嫌な世の中ですよね」
幸せそうな人を見ると反射的に叩きたくなるのは、その当事者が満たされていないから。そして今の時代、満たされていない人が大半なのだろう。
「私だって満たされていません。コロナ禍に彼と別れて、それきり恋人もできないし、仕事は忙しいけど給料はたいして上がらないし。いいことなんてほとんどない。でもそれでも日常を満たそうとがんばっています。幸せそうな人を批判するより、そこから温かいものを感じ取った方がいい。そう思うのが普通だと思っていたけど、今のネット社会ではそうもいかないんでしょうかね」
どこか不安そうな表情で、マナミさんはそう言った。
40代女性「他人の“手作り”を見せられるのは不快」
一方で、「人の手作り弁当なんて見たくない」という意見も。「私はSNSにアップするのはその人の自由だと思うけど、個人的には人の手作り弁当や手作り料理は見たくないタチ。買った弁当ならいいのは、それがプロの作ったものだから」
そう言うのはアサコさん(40歳)だ。どうしてなのかは分からないが、人がSNSにアップしている料理や弁当を見ると、あまりいい感じを抱かないという。
「もし不快だと言う人がいるとしたら、私と同じ感覚の持ち主なのかもしれません。素人が作った料理って、本人以外にはあまりきれいに見えなくないですか。そういうのをアップする意味が分からない。あ、もちろん特定個人を非難するつもりはないんですが」
見なければいいだけなので、アサコさんは友人がアップした手作りケーキなどはスルーする。だがママ友の間では、それを褒めなければいけない雰囲気があるという。
「食べておいしいかどうかはまた別の話ですが、手作り料理を不特定多数に見せる感覚が分からないんですよ。決して“映えない”のにどうしてママ友グループのLINEにアップするかといえば、やはり幸せ自慢みたいなものですよね。その意図が透けて見えるから、なんとなく不快なんだと思う」
お金を出せばきれいなケーキは手に入る。だが、「お金では買えない幸せがここにあるのよ」とドンと出されているような気がするとアサコさんは言う。
「批判するつもりはないけど、めんどくさっと思っちゃう。幸せなんて自分が感じればいいだけのことなのに……」
人に示して認めてもらわなければならない“幸せ”は、果たして本当の幸せなのだろうかとアサコさんは問う。いずれにしても、やはり生きづらい世の中ではある。