貯蓄

金利上昇が追い風となり、業績拡大につながるのはどのような株?

日本銀行が利上げを開始し、長期金利が少しずつ上がってきました。金利の上昇はほとんどの企業に影響があります。金利上昇が追い風となり、業績拡大につながるのはどのような株なのでしょうか。本記事では、恩恵を受けられそうな個別株を考えていきます。

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

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金利が上昇することで恩恵を受ける銘柄は?

金利が上昇することで恩恵を受ける銘柄は?

先日、読者より以下の質問が届きました。

「このまま日本の長期金利が上がっていったら、持っている日本株にどんな影響がある? どんな銘柄を買えばいい?」

日本銀行が利上げを開始し、長期金利が少しずつ上がってきました。10年物の国債の金利が1.5%を超えています。

金利の上昇はほとんどの企業に影響があります。金利上昇が追い風となり、業績拡大につながるのはどのような株なのでしょうか。本記事では、恩恵を受けられそうな個別株を考えていきます。

金利上昇のインパクト

金利上昇がどのようなインパクトをもたらすのか考えてみましょう。

まずは、セクター別の影響から。

金利上昇は「貸し手」にとっては恩恵がありますが、「借り手」にとっては逆風です。

例えば、銀行株などは貸し出し金利が上がった業績向上につながるためプラスですが、一方、不動産株などはローンを組みにくくなる恐れがありマイナスとなるでしょう。

面白いもので、アメリカでは金利が上がったことで「住宅ローンを組めないから家を借りる」人が増えて、賃貸住宅が盛況になったそうです。不動産開発企業にとって金利上昇は逆風のようですが、賃貸住宅市場にとっては逆に追い風となるかもしれません。

また、金利上昇は円高にもつながります。円高は輸入企業にとっては恩恵がありますから、エネルギー資源を輸入している電力会社や、ガソリンを大量に使用するトラック運送業などにとっては、コスト抑制につながりプラスと考えられます。

次に、株式市場全体への影響を考えてみます。

投資の神様バフェットは「金利は重力のようなものだ」と言いました。

金利が上がると、銀行預金や国債金利など、「リスクを取らなくても受け取れる収入」が増えます。それこそ「銀行預金が4%なのに、リスクを取ってまで配当利回り4%の株を買う意味があるか?」と聞かれると、答えに詰まってしまいますよね。

つまり、金利が上がるとリスクを取るうまみが薄れます。だから、株を売って預金に移したり、株を売って国債を買う、といった動きが起こる可能性があります。短期的には株価が下がるリスクがあるということです。

一方、株価が下がるということは、投資が上手な人からすれば「安く株を買うチャンスが増える」とも言い換えられます。

だから、事業買収がうまい会社や、割安株投資がうまい会社などに投資をすれば、金利上昇で株価が下がったとしても、それをうまく乗りこなすことで「ピンチをチャンスに変える」ことができると期待できます。

金利上昇の恩恵を受けそうな会社

筆者は、金利上昇の恩恵を受けそうな会社の1つとして光通信<9435>に注目しています。

光通信といえばさまざまな日本企業に投資している会社です。通信事業など、サブスク性の高い本業でチャリンチャリンとお金を稼いで、稼いだお金で割安株を買い漁っているわけですね。

金利上昇で株価が安くなった場合、同社なら割安株を買い漁って、長期的に恩恵を受けられると思います。同社のような企業は、株式市場がバブリーな時よりも低迷している時の方が業績を伸ばしてくるとも思うので、期待しています。

光通信に限らず、日本にはよい上場企業がたくさんありますから、ぜひ、ご質問者さまも調べてみてはいかがでしょうか。
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