夫婦関係

どうしたらパートナーと“ずっと仲よし”でいられる?長続きする「相性のいい夫婦」4パターン

「相性のいい夫婦」とはどんな夫婦なのでしょうか。価値観や趣味が合う、体の相性がいい……それだけではありません。「旦那と合わない」と悩む人も諦めないでください。「相性がいい関係」はゼロから作ることができるのですから。

三松 真由美

執筆者:三松 真由美

夫婦関係ガイド

「相性がいい夫婦」ってどんな夫婦?

「相性がいい夫婦」とは、どんな夫婦?

男女問わず、誰かといる時に「相性がいい」と感じることがありませんか? 長時間一緒にいても気が楽。話題がつきることがない。相手に何かギブしたくなる。

一般的には「好みが合う」など、「感性が似ている相手」と相性のよさを感じることが多いですが、結婚後、毎日一緒に過ごす「夫婦の相性」はちょっと複雑です。

今回はさまざまな「相性のいい夫婦」のスタイルを見てみましょう。
<目次>

「走ること優先のライフスタイル」サクラさん(仮名・34歳)の場合

共通のライフスタイルを持つ夫婦はストレスが少ない

共通のライフスタイルを持つ夫婦はストレスが少ない

サクラさん(仮名・34歳)の趣味はマラソン。学生時代から陸上競技をやっていたこともあり、もはや走ることはライフラークともいえる大切な人生の一部だと言います。

夫のコウタロウさん(仮名・35歳)とは、3年前にマラソン大会で知り合いました。2人を結びつけたのは「走ることが好き」という共通点です。

2人とも走ることで気分が上がるので、一緒に筋トレやランニングなど、練習時間を共有することが多く、"走ること"を重視したライフスタイルを選ぶ、という価値観も共有できていると言います。

「例えば私は、一日の時間の割り振りを、走ることを優先に考えます。それは夫も同じです。だから自然に同じ選択をすることになって、ストレスがないんです。これが趣味の違う人だったら、例えばカロリーをとりすぎる食事をしたいとなれば、私はそういう食事は嫌で……とか、早く起きて走りたいのに相手はゆっくり寝たい……とか、摩擦が起こりそうです。夫なら活動の優先順位が一緒なので、何も言わなくても大きくずれない。相性がいいってこういうことかと思います」

サクラさんの例は、走る趣味という「好きなこと」「楽しいこと」「達成したいこと」が共通点でしたが、そのほかにも「出身地(地元)が同じ」「仕事や職場が同じ」のような「環境」の共通点も「相性がいい」ことにつながります。

「夫婦ともに超慎重派」マナミさん(仮名・48歳)の場合

国籍が違っても「似たもの同士」の二人

国籍が違っても「似たもの同士」の2人

マナミさん(仮名・48歳)は「石橋を叩いて渡る」どころか「石橋を叩き過ぎて渡る前に壊れる」ぐらいの超慎重派。何かを始めるときには十分に下調べをしてから動き出します。

「何にでも慎重なのは、『失敗するのが怖い』というより、『進むからにはベストな道を選びたい』という気持ちです。完璧主義ゆえに、いろいろな可能性を吟味したうえで、最適なものを選んで最高のゴールを飾りたいと思います。そのために時間がかかるのは仕方がないですし、むしろ、時間をかけた事前調査での学びが、私にとってはとても楽しい時間です」

マナミさんの夫は9歳年下のカナダ人で、仕事も趣味も国籍も育った環境も違いますが、「超慎重派」という点はばっちり共通しているそう。出会ってから結婚するまで、5年間かけてゆっくりと吟味し合った2人は、とても相性がいいそうです。家具を買う、ベランダに花を植えるなど1つの決め事に何時間もかけて話し合いができる関係だそうです。

生まれた場所、家族環境などが違っても、信条や主義、価値観の共通点があれば、そこから導かれる言動、生き方に一定の方向性が見られるため、これもまた「相性のよさ」につながります。

今まで見てきたパターンは大きく捉えると、ある意味「似たもの夫婦」ということになりますが、相性のいい夫婦というのは「似たもの」ばかりではありません。

「社交的な妻と内向的な夫」アスカさん(仮名・42歳)の場合

タイプが違っていても互いの個性を尊重

タイプが違っていても互いの個性を尊重

アスカさん(仮名・42歳)は声楽家。オペラやミュージカルなどに出演するほか、自分でもコンサートを開いたり、合唱指導を手掛けたりしています。アスカさんの夫のタクトさん(仮名・44歳)はピアニスト。アスカさんのコンサートのときはもちろん、普段の練習の際にも伴奏を務めます。

「夫とは音楽仲間数人と開いたコンサートで出会いました。その時は5人の声楽家と3人のピアニストがいたのですが、3人それぞれに伴奏をしてもらった際に夫にピアノが一番歌いやすかったんです。

夫の手のひらの上で、私が自由に踊っているような……。言葉で表現するのはなかなか難しいのですが、タイミングというかバイブスというか、とにかく彼とは"相性がいい"と一瞬で分かりました」

音楽家という共通点はあるものの、性格は社交的で陽キャなアスカさんと、内向的で陰キャなタクトさんは正反対。休日の過ごし方も、友達を呼んでワイワイするアスカさんをやさしく見守ってくれているようです。タクトさんが読書をする時、アスカさんは決して邪魔をせず、ひとり時間を尊重すると言います。

互いの個性を理解し、異なる考え方や感性を尊重し合える、よいパートナーシップが築けているそうです。

「ウチは凸凹夫婦」ノゾミさん(仮名・25歳)の場合

それぞれの得意、不得意を補い合える「凸凹夫婦」

それぞれの得意、不得意を補い合える「凸凹夫婦」

ノゾミさん(仮名・25歳)は学生時代に起業し、ベンチャー企業の社長をすでに4年間務めています。昨年結婚した夫のショウさん(仮名・27歳)はフリーランスのWebデザイナーとして活躍しています。ノゾミさんは言います、「ウチは凸凹夫婦」なんだと。

「我が家は夫が主に調理担当です。なぜなら彼は自宅に作業場があるので、彼の方が家に長くいるんです。あとは料理が趣味で、とても上手。一方で私は、この世で一番苦手なことは料理!

でも、家の中を掃除したり片づけたりするのは得意なんです。面倒くさがりで脱ぎっぱなしの彼の服を片付けて、リビングをピカピカにするのが私のストレス解消法です。私たち、それぞれの得意なこと、不得意なことがちょうど歯車の凸凹が組み合わさるように、ぴったりはまって、だから毎日がうまく回っていると思っています。これって相性のいい証拠ですよね。凸凹といえば、ここだけの話、夜の相性もとってもいいんです」

私がセックスレス専門のカウンセラーと知ってか、最後に思わぬ凸凹の話も出てきました。こちらの夫婦の場合は、得意なこと・不得意なことの役割分担ができているパターン。互いに得意なことで相手をサポートし、それが互いにハッピーである状態。2人で苦手ジャンルを補い合えるまさに「相性がいい」夫婦関係と言えるでしょう。

このように「相性がいい」というのは、必ずしも同質であることだけが理由でないことが分かります。まったく異質な2人であっても、相手を尊重して受け入れること、あるいは、相手をサポートすることで喜びを感じられることがよい相性を生み出します。

つまり、「相性がいい関係」というのは、ゼロから2人で作っていくことができる関係性なのです。

「今のパートナーとは育った環境も違うし、相性がいまいちかも」と思った時には、すぐに諦めてしまわずにまずは受け入れてみる。自分の人生に新風を吹かせてくれて、新鮮と感じたならそれは「相性よし」のシグナルです。
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