政策金利の引き上げによる、普通預金金利の引き上げに注目
日銀が政策金利の追加引き上げを決定したことを受けて、早々に銀行は預金金利の引き上げを発表しています。三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、三井住友信託銀行は普通預金の金利を0.10%から0.20%に引き上げることを発表しました。適用は3月3日(三井住友銀行は3月17日)から。このほか、大和ネクスト銀行も2月3日から普通預金の金利を0.10%から0.20%に引き上げることを公表しています。
続けて、あおぞら銀行BANK口座は、普通預金金利を0.20%から0.35%に2月1日から引き上げることを発表。あおぞら銀行BANK口座は証券口座連携などの条件はなく、従来、普通預金金利は、高く設定されていました。
SBI新生銀行はダイヤモンド会員(SBI証券との口座連携)の普通預金金利を0.30%から0.40%への引き上げを3月3日から行うとしました。
auじぶん銀行はauマネ活プランなどの利用で最大0.41%だった普通預金金利を3月1日から最大0.51%に引き上げることを公表しています。
(※ここまでの情報は2025年1月30日現在)
今後、普通預金金利については、最低でも0.20%となる可能性が高いですが、上げ幅については、注意深く見ておく必要があるでしょう。
マイナス金利の状態が長く続き、この間、定期預金に預けるよりは、金利の高い普通預金を利用した方が、有利な銀行もありました。ところが金利のある世界に突入した今は、各銀行の金利状況を見極めて、定期預金を賢く使うことが大切だと言えるでしょう。
金利上昇の局面では、長期での預け入れは避けるのが鉄則
定期預金については、冬のボーナスキャンペーンを実施しているネット銀行などは、すでに1年ものの定期預金金利が特別金利になっているため、キャンペーン期間終了後の金利がどうなるか気になるところです(金利大幅UP!見逃せない2024年冬のボーナス金利キャンペーン2024年12月23日時点の情報。これ以降、キャンペーン金利を引き上げた銀行もある)。現時点(1月30日)では、大和ネクスト銀行が2月3日から定期預金金利の引き上げると発表していますが、今後、他行でも引き上げが予定されているため、注目しておくようにしましょう。
現在のように金利上昇の局面の段階では、定期預金に長期の預け入れは避けるのが賢明です。本来、預け入れ期間が長いほど金利は高く設定されますが、3年、5年と預け入れ期間が長いもので固定してしまうと、今後の金利引き上げの恩恵を受けられなくなってしまいます。
実際、各銀行のキャンペーン金利も、1年ものを特別金利にするケースが多く、3年、5年ものの定期預金金利より高く設定されている銀行が多いという状況です。
年内に日銀がもう一度、政策金利を引き上げる可能性もありますので、6カ月、1年程度の期間の短い定期預金を利用するといいでしょう。
金利の高い普通預金で待機して、優遇金利を狙う
これまで預金金利が低く、どこに預けても一緒と考える人も少なくありませんでしたが、今後は銀行ごとに金利差が大きくなる可能性がでてきました。新規口座開設、新規の資金限定などの条件が付く場合もありますが、現在の金利動向を確認しておくことも大事です。ひとまず、金利の高い普通預金にプールしていき、次の夏のキャンペーンの特別金利を待つという方法もあるでしょう。金利のある世界の恩恵を受けるためには、ほったらかしではなく、こまめに預け替えをしていくことが重要になります。