5つのステップに分けた、住まいのアイデア
では、具体的に『洗濯』を5つのステップに分けて、それぞれをより便利にする動線や設備をご紹介しましょう。 【ステップ1 脱ぐ】豊吉「脱ぎっぱなし、散らかりっぱなしを防ぐには、脱ぐ場所と洗う場所を近づける動線がお勧めです。また、脱衣室に洗濯カゴを複数置くスペースが確保できれば、脱ぎながら色物や柄物などを仕分けでき、洗うときの手間がはぶけます。
さらにファミリークロークを脱衣室の隣に配置すると、帰宅後すぐに制服やスーツから部屋着に着替えて、洗濯物をカゴに入れられるので散らかることがありません」
【ステップ2 洗う】
豊吉「洗濯機が動いている間に、料理など他の家事を並行できる間取りが便利です。キッチンのそばに洗濯や室内干しスペースを配置した『せんたく回遊動線』をつくると、スムーズに動けて家事全体の時短ができます。
例えば2階建ての場合、干すことも考えて洗濯の動線を2階にまとめれば、洗った後に濡れて重くなった洗濯物を1階から2階に運ぶ手間がなく効率的です」
豊吉「洗う場所と、バルコニーなどの干す場所はつなげておきましょう。最近では共働き家庭も増え、室内干しをしたいというご希望も多いので、湿度・温度・空気の流れを意識した室内干し専用スペースのある間取りや、物干し用の金物などの設備も豊富にご用意しています」
【ステップ4 たたむ】
豊吉「リビングでたたむという方も多いのですが、衣類が乱雑になりがちです。ランドリースペースを少し広くして専用カウンターをつくると、洗濯物を一時置きする、たたむ、アイロンをかけるなどの作業が一気に楽になります」
豊吉「やはり、干す場所としまう場所を近くする動線が便利です。家族全員分の衣類を収納するファミリークロークがあれば、ひと部屋ずつ洗濯物をしまいに行かなくてもいいので、手間を省き家事時短につながります」
洗濯をする時間帯が昼か夜か、干す場所は外か室内か……生活スタイルによって家の設計は変わってきます。住友林業ではお客様に合わせて、家全体の家事が効率化できる動線のご提案をしています。
コンパクトな空間でも『せんたく動線』は工夫次第
洗濯スペースにゆとりがない場合でも、これまで蓄積された設計ノウハウを活かして、効率のいい『せんたく動線』を工夫することはできます。豊吉「カタログの中でも、1~1.5坪のスペースの中で『洗濯しやすい家』をつくる例をご紹介しています。例えば収納のサイズは、通常であれば奥行きが80cm程度ですが、洗剤やタオル、肌着などをしまうならもっと薄くても大丈夫です」
空間を最大限に活用するため、28cmほどの奥行きのオリジナル収納も。しまうものを具体的にイメージして選べば、省スペースが実現します。 豊吉「こちらは1.25坪のプランの一例です。十分な収納を確保しつつ、ガス衣類乾燥機や複数の洗濯カゴ、運動靴などの汚れものが洗えるスロップシンクも設置しています。ご希望に応じて、アイロンコーナーや室内干しスペース、土間などを組み込むことも可能です」
わが家にぴったりの『せんたく空間』をつくるには
洗濯をもっと快適に、効率よくできる家づくりは、まず1日の家事の流れを振り返ってみることが大切です。豊吉「いつもの洗濯の仕方を具体的にイメージして、脱ぐ、洗う、干すなどのステップで、家の中をどう動いているか考えていくといいと思います。不便に感じているところや改善点が見つけやすくなるでしょう。
その際は、ぜひ新しいカタログ『SENTAKist』もご活用ください。わが家に必要な空間や設備がわかりやすく、逆に不要なものも見えてくるはずです。注文住宅の自由設計に長けた設計担当が最適なプランをご提案しますので、どうぞお気軽にご相談ください」
家事全般は、毎日の暮らしの中で逃れられないもの。特に手間のかかる洗濯は、空間の使い方や動線次第で負担が軽減され、ゆったりと過ごす時間を増やすことができます。本当に心地いい家づくりのために、改めて洗濯に目を向けてみてはいかがでしょうか。
<関連リンク>
『SENTAKist』のカタログを請求する >>
住友林業の家公式YouTube ~洗濯王子直伝!暮らしをラクにする快適な家づくりの秘訣とは?!~
※洗濯家 中村祐一さんプロフィール
●クリーニング店「芳洗舎」の3代目。1984年長野県伊那市生まれ。
●高校卒業後、東京練馬のクリーニング店で修業をはじめる。ここで洗濯の面白さに目覚める。
●修業後、実家のクリーニング店で働くが、日本の家庭には「プロ」の洗濯ノウハウが必要なのではないか?と実感。
●料理研究家、整理収納アドバイザーはたくさんいるのに、洗濯に関するアドバイザーがいないことに注目。「洗濯アドバイス」という分野を切り開く。