亀山早苗の恋愛コラム

「まさか!?」が続いた地獄の年末年始……義母が泣きながら語り始めた夫の不倫と妊娠発覚(2ページ目)

年末年始は、夫婦間にトラブルが発生することが多い。単に気が緩むのか、時節柄けじめをつけたいからなのか。新年早々、地獄のような年末年始を過ごしているという女性に話を聞いた。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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「まさか」が続くクリスマスイブ

昨年のクリスマスイブは平日だった。イブには夫が予約したケーキを引き取って、早く帰宅する予定だった。キョウコさんも前日から料理の仕込みをしていた。息子は当日、自分がサラダを作ると張り切っていた。

「ところがクリスマスケーキを持ってきたのは知らない人だったんです。夫の会社の後輩を名乗り、『仕事で問題が起こって先輩が帰れなくなったので代わりに届けに来た』と。同じタイミングで夫からもLINEが届き、本当にごめん、先に食べててって。息子はがっかりしていましたが、仕方ないからとなだめて……」

それにしても、夫の仕事はそれほど多忙だっただろうか、とキョウコさんは嫌な予感がした。かわいい息子がクリスマスイブを父親と一緒に過ごすのを楽しみにしていたことを、夫は十分分かっていたはずだ。会社組織に属しているのだから、それほど毎日、夫ばかりが忙しいなどということがあるのだろうか。

「その時点で、心の奥底で何かが進行していると本当は私、分かっていたんだと思います。でも見て見ぬフリをしていた。そうせざるを得なかった。そうこうしているうちに、その何かはどんどん大きくなっていった。そういうことなんでしょうね」

義母に連絡すると、慌てた様子で現れた

息子が、「お父さんと食べたかった」と言いつつもケーキをたいらげ、眠ってしまった後、彼女は義母に連絡をした。義母は慌てた様子でやってきた。

「リビングに入るなり、義母は『キョウコさん、ごめんなさい』と床にへたりこんで土下座みたいなことをしたんです。ソファに座ってもらって話を聞くと、夫はやはり浮気をしていた。

幼なじみのカナさんという女性が離婚し、子連れで実家に戻ってきたのが夏。再会した2人は危うい関係になった。義母はそれに気付いて夫をいさめた。そこから夫は義母を避けるようになったそうです。でも、義母としてはどうしても2人を別れさせたくて、先方の実家の親とも話した。それで双方すったもんだ状態だったようです」

義母は「あなたを傷つけたくなかった」と泣いたが、夫婦の問題なのに、双方の家族が巻き込まれ、当事者のキョウコさんだけが蚊帳の外に置かれた状態がどうしても納得できなかった。

「そこへ夫が帰ってきたんです。夫は義母を見て顔色を変えました。もう聞いたから、全部詳しく話してほしいと私は言いました。でも夫はおろおろしているだけ。義母が、『キョウコさんは自分で何でも判断できる人だから』と不可解なことを言い出して……。

夫を促すと、なんとそのカナさんが妊娠しているという。前の夫からDVを受けて離婚した彼女に夫は深く同情してそういう関係になった。それが夏のこと。そしてクリスマスイブ前日に、彼女の妊娠が発覚したそうです。彼女はどうしても産むと言っている。でも彼女は10歳と7歳の子がいて、本人は仕事をしていないんですよ。だからカナさんの親も、これ以上、子どもを育てるのは無理だと言っている。それでも産むと。そして夫は、そんなに産みたいなら産んでもらおうと思っている、と」

キョウコさんはその場でめまいを感じて崩れ落ちたという。夫はようやくすべてが明らかになってホッとしたのか、仕事納めの日も深夜遅くに帰宅した。

「実は大晦日も、ふらっと出かけてくると言ったまま、深夜まで帰ってきませんでした。夫に『新しく生まれてくる命が大事なのは分かるけど、あなたにはすでに息子がいる。息子の気持ちを考えないのか』とLINEを送ったんです。元日未明に帰ってきた夫は、息子の寝顔を見て涙ぐんでいました。私にはまったく夫の気持ちが分からない。どう対応したらいいかも分からない」

今年は「対決」の年になりそう、結婚して10年でこんなことになるなんて、信じていたのにとキョウコさんは憔悴(しょうすい)しきった表情で言った。
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