人間関係

「子どもはいらない」と考える私に専業主婦の義母は言った「子どもが欲しくない女なんていない」(2ページ目)

同棲中の彼とは、結婚もせずに2人で気楽に暮らしていて、お互い子どもが欲しい気持ちも全くない。しかし、彼の母親はいわゆる「普通の人」で子どもが欲しくないなんて、血も涙もない女性だと自分の価値観を押し付けてくる。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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女だったら子どもは欲しいに決まってる

同棲中の彼の母親が、古い価値観の持ち主で……

同棲中の彼の母親が、古い価値観の持ち主で……

彼の母親は「ごく普通の人」だった。専業主婦として3人の子を育てて、「仕事はしていなかったけど私は家族が命だった」と言った。彼は、そんな母に「人の生き方はそれぞれだよ。お母さんはそれで幸せだったんだからいいじゃない」と軽く流している。

「すると彼の母は、あなたたちはどうして結婚しないのと切り込んできました。『理由なんてないけど』と彼。すると『あなたは結婚したいわよね、子どもだって欲しいわよね』と、まるで私が彼の考えに承服していないかのように言うんです。『いえ、私も別に結婚したいわけじゃないし、子どもは欲しくないし』と言うと、『そんなはずないわよ。子どもが欲しくない女なんていない』って。『いや、本当です。子育てに時間も手間もとられたくないので』と言ったら、急に自分の息子をじっと見て『こういう女の人とは別れた方がいい、血も涙もない女性よ』って。私、うっかり笑ってしまったんですよね。子どもを欲しくない女は女としておかしいと言われているわけですけど、その決めつけがおかしくて」

「欲しがらない女」はヘンな女

当然、彼の母親はムッとして黙り込んだ。人はいろいろですよと言い置いて、「先に帰るね」とミキさんは座を辞した。

「それからしばらくたって、彼のいとこが遊びに来たことがあるんです。どうやら彼のお母さんに頼まれたみたいで。いとこは『オレも結婚したいわけじゃなかったけど、やっぱり家庭はいいぞ。子どもは最高だよ』って。すると彼、『あれ、だいぶ前に浮気したとか言ってなかった?』と混ぜ返した。あれで結婚なんてあてにならないものだなと思ったよと彼が言うと、いとこは『それはともかく、きみもお母さんを安心させてやれよ』と言っていました。本当にミキさんは子どもがいらないの? と聞くので面倒だなと思いましたが」

子どもは欲しくない。それがそんなに珍しくてヘンな考え方なのだろうかとミキさんは考え込んでしまったという。女性なら誰もが子を欲しがるというのは、人に刷り込まれた感覚なのだろうか。

「子どもはいらないというと、みんな急に引くんですよね。なんだかまっとうな人間ではないみたいな目で見る。自分の人生の設計は自分で描いているので、放っておいてほしいんですが(笑)、そうもいかないのが親や親戚なんでしょうか」

笑いを交えながらそう言うミキさんだが、心の奥では「私はヘンなのだろうか」という思いも抱えているとつぶやいた。
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