亀山早苗の恋愛コラム

普通とは違う「性癖」に悩み続けた33歳が、100人超の女性と出会い「SM婚」するまでの10年(2ページ目)

大学の頃に自分の性癖が“普通とは違う”ことに気付いたという33歳男性に話を聞いた。自分の性癖ごと愛してくれる女性を必死で探し、100人もの女性に会い、失敗もした。そして結婚にこぎつけた女性とは、今現在、どんな夫婦関係を築いているのだろうか。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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妻との出会い、「SM婚」が実現するまで

自分の性癖をしっかりと理解してくれる女性を求めて誰よりも真剣に婚活をした

自分の性癖をしっかりと理解してくれる女性を求めて、誰よりも真剣に婚活をした

その後、結婚相談所で知り合った女性に、デート2回目でカミングアウトし、受け入れてくれるなら結婚したいと申し出たところOKをもらった。彼女はそれまで特にSMに詳しいわけではなかったが、彼の話をきちんと聞いて向き合ってくれた。

「自分の性癖をあれこれ10数枚に渡って書き、プレゼン資料として提出しました(笑)。僕と一緒にいるとどれだけ彼女にメリットがあるかも含めて」

半年かけて彼女に分かってもらうことができ、結婚した。SM婚などと言われてもいるが、現実としては「肉体的にハードなSMが好きというわけではない」から、一般的なイメージとは異なるかもしれない。「SM」といっても嗜好には個人差が大きい。

精神的なM「サブミッシブ」の夫婦生活

彼の場合は「サブミッシブ」といって、精神的なMといったほうがよさそうだ。妻に管理され、妻に尽くすことで喜びを得る。実際に毎日の家事はほとんど彼がこなしている。妻というご主人様に喜んでもらうためだ。

「マッサージもさせてもらっている」という。妻は立ち仕事が多いので疲れた足を癒やすことができ、マコトさんは大好きな足裏を揉むことで興奮し、喜びを見い出す。その間、ご主人様である妻はソファに寝転がってスマホを見ているが、それでいいのだという。

「僕らは月に1回、夫婦会議を開いているんです。今月あったこと、お互いに相手にしてほしいこと、そして感謝の気持ちをきちんと伝え合う。こういう嗜好だと、本当に出会うのは大変なことなんです。悩んでいる同じ嗜好の男性もいます。

彼女ができてもカミングアウトできず、バイアグラを飲んで無理矢理、普通のセックスをしようと頑張ったりしてしまう。みんな自分がおかしいと思って隠すことが多いんです。だからこそ、妻には感謝しています。僕は妻のものでいられて幸せだから」

支配する側「ドミナント」に尽くす喜び

通常の夫婦よりきめ細やかなコミュニケーションを図っている。常に相手に配慮するのは、彼が尽くして喜ぶタイプというだけではなく、彼女を失いたくないからだ。彼のようなサブミッシブを支配する側は「ドミナント」と呼ばれる。彼は支配されながら尽くすのが好きだという。スマホにGPSを入れられていることも、喜びのひとつである。

「僕のような嗜好の人間は、命をかけるくらい必死で相手を探してきたんです。妥協はせず、自分も相手も活かせるような関係を求めてきた。SMというと偏見の目で見る人がいますが、人生を充実させるために、誰よりも真剣に婚活していたんです」

こういう嗜好を持つ人間は、世間の見る目と異なり、「くそまじめオタク」なのだとマコトさんは笑う。だからこそ苦労もしたが、結婚してから話し合いを重ねてきたことで、ふたりの間の愛情が強く深くなっているのを感じるという。

共通の嗜好があり、それをお互いに大事にしていくことで話し合いが増えていく。通常の夫婦に比べて、より緊密な絆で結ばれているようだ。
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