Q. NISA成長投資枠で優待を目的に保有している銘柄の株価が上昇しているので、利益確定しようか迷っています
「コロナ前に、優待目的で長期保有を前提に株価2600円の株を特定口座で100株購入しました。その後、株価が3350円に値上がりしたので、株主番号が変わらないようにNISA成長投資枠で100株を同じ価格(3350円)で購入した後、特定口座で購入した100株を売却し、税引き前で7万5000円の利益を確定しました。優待目的の長期保有なので、NISA成長投資枠に入れ替えたのですが、現在その株の株価は4000円近くまで上昇しています。再度特定口座で購入して、成長投資枠で保有している株を売却して利益を確定すべきか、それともNISA成長投資枠でのキャピタルゲインを考えず、長期保有を続けるべきか迷っています」(ahonekoさん/男性/38歳)
◾️金融資産:現金預金900万円/リスク資産1500万円
株価が上昇している優待銘柄を売却するか迷っている男性
A. 「私なら、長期保有を続ける方向で考えますね」(深野さん)
すでに一度、利益が出ている状況ですので、無理に利益確定を急ぐ必要はないかもしれません。NISA口座は利益に対して非課税というメリットがありますし、売買手数料も考慮すると、そのまま保有を続けた方が良いのではないでしょうか。一度売却して、買い戻す場合、株価が上昇すると買付価格も高くなる可能性があります。単純にキャピタルゲインを目的とするのであれば、売却も一つの選択肢ではありますが……。
ただ、ご相談者の場合、この銘柄の株主優待を気に入っている様子がうかがえます。もし優待を重視されていて、長期保有によって優待の特典が増えるのであれば、NISAの成長投資枠で保有を続け、さらなる利益拡大を目指す方が良いのではないでしょうか。
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教えてくれたのは……深野 康彦さん
マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。著作に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など