そもそも「精力剤」って何? どんな種類があるの?
40歳を過ぎてから、昔のような元気がなくなってきた……。そんな方も多いのでは。男性も女性も、この年代から代謝やホルモン量が低下傾向になり、「疲れやすい」「やる気がなくなる」「慢性的にだるい」などの不調を感じやすくなります。こうした症状に対応するのが、精力剤です。一般的に精力剤とは、肉体的・精神的な疲れを軽減する医薬品、あるいは食品の総称のこと。ホルモンを補充したり、代謝を上げる成分を効率的に摂取することで、体力増加や疲労回復、性欲増進などを促します。
ただし、一言で「精力剤」といっても、効能から服用法まで、その種類は極めて多岐に渡ります。まずは、巷に存在する精力剤にはどんなものがあるのかを見てみましょう。
■医薬品系(第1~3類医薬品、指定医薬部外品)
ドラッグストアやコンビニで手軽に入手できる精力剤は、主に第1~3類医薬品か指定医薬部外品に分類されます。『ユンケル』や『アリナミン』『リゲイン』などの名の知れた精力剤は、第2類医薬品、第3類医薬品、指定医薬部外品に分類されるものが多く、滋養強壮や疲労回復などの効果が期待でき、副作用のリスクも高くありません。
一方で、第1類医薬品に分類される『金蛇精』『オットピン』などは、購入時にドラッグストアで薬剤師の説明を受ける必要があり、ハードルがやや上がります。それは、「メチルテストステロン」という成分が含まれているから。これについては、後ほど詳しく説明しましょう。
■食品(サプリメント)
ビタミンB群をはじめとするビタミン類、亜鉛・鉄などのミネラル類、アルギニン・シトルリンなどのアミノ酸ほか、様々な植物からエタノール抽出されたものを有効成分としたサプリメントも、精力剤として分類されます。有名なものでは、アサヒ『ディアナチュラ』、DHC『マルチビタミン』、大塚製薬『ネイチャーメイド』などが挙げられます。
■漢方系
古来使われている漢方の成分を使用した精力剤も多いです。医薬品系なら、第2類医薬品と第3類医薬品には、滋養強壮に効果の高い漢方成分が含まれています。漢方成分には、マムシやスッポンなどの動物由来の成分と、高麗人参などの植物由来の成分があります。同じ動物や植物でも、部位によって含有成分や効果が大きく異なるので、使用する際には部位を十分に確認する必要があります。
精力剤にも「男性向け」と「女性向け」がある
次に、「男性向け」「女性向け」という観点から、精力剤を分類してみましょう。■性機能に効く、男性向けの精力剤
精力剤というテーマで男性が気になるのは、やはり、性機能向上に効果があるのかどうか。調査によると、日本では中等度~完全ED有病者数は約952万人にも及び、20~30代でも5人に1人がEDの悩みを抱えているという報告もあります。 では、EDをはじめとする性機能改善に効く精力剤とは、どのようなものなのでしょうか。それは、「メチルテストステロン」という成分が配合されていること。先ほどお伝えした通り、『金蛇精』などの第1類医薬品の精力剤には、これが含まれています。
メチルテストステロンの素となる「テストステロン」は、男性の健康を司るホルモンの一種。性欲や勃起機能にも大きく関わっているので、メチルテストステロンを配合した精力剤を摂取することで、ED症状や精子形成などの改善が期待できます。ただし、テストステロンの急激な上昇は、動脈硬化や前立腺肥大悪化のリスクも孕みますので、摂取する際には薬剤師から十分な説明を受ける必要があります。
ちなみに、第2類医薬品、第3類医薬品、指定医薬部外品には、性機能改善に直接関わりのある成分は配合されていないものの、滋養強壮や疲労回復の結果、性欲が高まる可能性もあります。この辺りは体調や個人差も大きいので、ご自身でいろいろ試してみるのがいいでしょう。
精力剤のユーザーは主に男性だと思われがちですが、ドラッグストアへ行けば、女性用の精力剤も存在しています。一般的な精力剤との違いは、鉄分が多く含まれていること。月経のある女性は鉄欠乏状態であることが多く、それが慢性的な疲労や不調につながるケースも少なくないからです。
鉄は非常に吸収率の低い成分ですが、サプリメントなどの食品成分である「ヘム鉄」は、タンパク質で鉄が含まれた状態となっており、高い吸収性があることがわかっています。
精力剤はドリンクタイプか錠剤タイプが一般的ですが、用途によっては、軟膏など塗るタイプのものもあります。例えば、第1類医薬品に分類される精力剤は、男性器に直接塗布するものが多いので、即効性が期待できるというメリットがあります。ご自身の目的や使いやすさに合わせて、摂取しやすいものを選びましょう。
知っておきたい精力剤とED治療薬の違いとは
性機能向上が目的であれば、精力剤ではなく、バイアグラなどに代表されるED治療薬を使うのがおすすめです。まずは、精力剤とED治療薬の違いから説明しましょう。既にお伝えした通り、精力剤は滋養強壮や疲労回復を目的としたもので、その多くはドラッグストアなどで気軽に入手することができます。一方で、ED治療薬は勃起不全の改善が目的であり、医療機関の受診と医師による処方が必要です。このように、精力剤とED治療薬は、そもそもの目的やアプローチ方法が全く異なります。「セックスに強くなる」ことが目的であれば、勃起に直接アプローチするED治療薬の方が、より効果を感じやすいと言えるでしょう。
ただし、言わずもがな、ED治療薬は、確かな質のものを適切な量摂取しないと、副作用などのリスクが発生します。ED治療薬を服用する場合は、必ず医療機関に足を運び、専門医に相談をしましょう。 ちなみに、バイアグラなどのED治療薬は性行為の前に飲むのが一般的ですが、毎日飲んでも体に害はないのでしょうか? 答えはイエスです。性行為の予定が毎日あれば、毎日飲んでも安全性に問題はなく、身体に耐性や依存性が生じることもありません。
ただし、連日服用する場合には、必ず24時間以上空け、一度の服用上限量(日本国内ではバイアグラは50mgまで、シアリスは20mgまで)を守りましょう。一度に大量に服用すると、様々な副作用が強く出る危険性がありますので、ルール破りの服用は厳禁です。
健やかな毎日のサポートに、精力剤やED治療薬を取り入れてみよう
性機能改善においては、精力剤で効果を実感できなければ、ED治療薬を検討してみるのもいいでしょう。ドラッグストアで気軽に入手できる精力剤と比べて、専門医の診断が必要なED治療薬は少しハードルが高いかもしれませんが、効果への期待値は、精力剤をはるかに上回ります。また、毎日服用しても安全性に問題がないことからも、「ED治療薬は怖いものじゃない」ということを、声を大にしてお伝えいたします。
ただし、繰り返しになりますが、ED治療薬の服用には、医療機関での受診が不可欠です。安全に使用するためにも、信頼性の低いネット販売などで入手するのではなく、信頼できる専門医から処方を受けるようにしましょう。
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※参考:
・精力剤について(浜松町第一クリニック)
https://www.hama1-cl.jp/about_ed/energy_enhancement/
・バイアグラを飲み続けても大丈夫?毎日飲んでも平気?(浜松町第一クリニック)
https://www.hama1-cl.jp/column/keep_taking_viagra.html