5人家族で生活費20万円は現実的？
この記事では、5人家族の平均的な生活費と理想の支出バランスを紹介します。また、家族みんなで実践しやすい節約術や、家計の見直しポイントも解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
＜目次＞
5人家族で生活費20万円は可能か
5人家族で、1カ月当たりの生活費を20万円に抑えることはできるのでしょうか。総務省が公開する「家計調査 家計収支編（令和5年）」によると、5人世帯（※）の1カ月当たりの消費支出（生活費）は約33万2000円です。「生活費20万円」は、この5人世帯の消費支出と比べて約13万円も低い水準です。これほど支出を大幅に削減するのは非常に難しいでしょう。
生活費20万円を目標にすることで、家計の見直しや節約の意識は高まるかもしれませんが、無理に節約しようとすると生活が苦しくなったり、家族関係が悪くなったりする可能性もあるので注意したいところです。
では、一般的に5人家族の生活費はどのような項目にお金がかかっているのでしょうか。前出の家計調査をもとに、内訳を詳しく見てみましょう。
5人世帯の1カ月あたりの消費支出額
この生活費には住居費（住宅ローンや家賃）が含まれていない点にも注意が必要です。前出の家計調査によれば、5人世帯の住宅ローンなどの支払い（土地家屋借金返済）は1カ月当たり5万6828円となっています。賃貸の場合も、5人家族の住まいを想定すると地域によっては月10万円以上の費用がかかることが想定されるでしょう。
※5人の世帯かつ世帯主が60歳未満の勤労者世帯
生活費を20万円でシミュレーションしてみると？
生活費20万円は、どれほど実現が難しい数字なのでしょうか。実際に、先ほどの内訳の割合を20万円でシミュレーションすると、次のようになります。
生活費20万円の家計シミュレーション
住居費を生活費に含めないとしても、5人家族がこの金額でやりくりするのは簡単ではありません。あくまでも生活費を少しずつ抑えることを目標として、各家庭で工夫しながら節約に取り組むことが大切です。
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5人家族で生活費20万円を目指す節約術！
生活費を抑えるための節約術とは？
1. 食費を見直す
「一度にたくさん消費できる」という5人家族ならではの特性を生かして、まとめ買いや大容量パックの購入を行い、食費を抑えましょう。例えば、お米や調味料、野菜、冷凍食品といった日常的に使う物を大容量サイズで購入することで効率的に節約できますよ。
また、一週間の献立の計画を立てて、買い物は週に一度まとめ買いにすることで無駄な出費を防げます。野菜が高い季節もありますが、旬の食材や地元の直売所を活用することで、栄養バランスを保ちながら食費を抑えられるでしょう。
2. 固定費を見直す
固定費とは毎月かかる支出のことで、基本的には費用が大きく変動しないものを指します。例えば、家賃や水道・光熱費、通信費などが当てはまります。固定費は一度見直しをして節約できると、継続して費用を抑えられるので、長期的な節約にとても効果があります。
特に見直しやすいのは通信費です。通信費は、格安プランが多く登場しているので現在利用しているプランが本当に必要な内容かを確認し、早めに低コストのプランに変更しましょう。また、最近では音楽や動画、ゲームなどのサブスクリプションサービスが充実していますが、利用していないものがないか毎月見直すなど、月々の支出をできるだけ抑えられないかチェックしてみましょう。
3. 家や車にかかる費用を見直す
固定費の中でも、住居費と車にかかる費用は家計の中で占める割合が特に大きい項目です。5人家族の場合、大きい家や車が必要となりますが、収入やライフスタイルに合わせて見直すことで大幅な節約が可能です。
例えば、住居費の節約には、都心を避けて郊外の広めの物件を検討するのがおすすめです。同じ広さでも、立地を工夫するだけで家賃が20～30％安くなることも珍しくありません。また車にかかる費用を抑えるには、燃費の良い車を選ぶほか、家族での外出はできるだけ乗り合わせるようにすることで、ガソリン代や駐車場代を大幅に節約できるでしょう。
4. 娯楽は工夫しながら抑える
娯楽費の節約は、真っ先に取り掛かりたいところです。ただし、完全に削ってしまうのではなく、家族みんなで楽しめるコストの低いものを見つけることが大切です。
例えば、地域の無料イベントや公園でのピクニックなど、お金をかけずに楽しい時間を過ごす方法を探してみましょう。また、動画配信サービスや家族で楽しめるゲームを上手に活用するのもおすすめです。週末は自宅で映画鑑賞会やホームパーティーを開くなど、支出を抑えながらエンターテインメントを楽しめます。楽しみをなくすのではなく、工夫できないか考えるところから始めてみましょう。
5. 定期的に保険を見直す
保険料は、家族の年齢やライフステージに合わせて、現在の保険内容が本当に必要か検討するのが重要です。例えば、子どもの学資保険は進学の時期に合わせて補償額を設定したり、親の生命保険は働き盛りの期間に重点を置いたりするなど、家族の将来を見据えた選び方を心掛けましょう。
また、同じような保障が複数の保険に含まれていないか確認するのも大切です。子どもの成長に伴って必要な保障内容も変化するので、定期的に見直しを行うようにしましょう。
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家族みんなで節約を成功させるためのポイント
5人家族がみんなで節約を成功させるためのポイントを4つ紹介します。1. 節約を楽しむ
節約を「我慢」と捉えるのではなく、新しいライフスタイルに挑戦するチャンスだと捉えてみましょう。「あれもできない」「これもやれない」とネガティブに考えてしまうと、節約を続けるのが難しくなってしまいます。「1カ月間で○○円節約チャレンジ」「週に3回は自炊チャレンジ」など、楽しみながら取り組むことが大切です。
さらに、節約した金額を目に見える形で記録したりすると達成感が生まれ、よりやる気が湧いてきますよ。
2. 目標を明確にする
「生活費を20万円に抑える」という目標だけでは漠然としてしまうため、より具体的な目標を立てることが大切です。そのためには、ライフプランニングを活用してみましょう。ライフプランニングとは、将来のライフイベント（子どもの進学や住宅購入など）を書き出し、それに必要な費用を計算することです。
もし、将来のことを具体的に考えられない場合は、「今年は家族全員で旅行に行く」など、身近な目標から始めてみましょう。具体的な目標があることで、モチベーションも維持しやすくなりますよ。
3. お金をかけることにメリハリをつける
生活費を見直す際は、ただ節約に力を入れるだけでなく、重要な部分にはしっかり投資することが大切です。家族の健康や子どもの教育など、長期的に見て必要な部分には、きちんと予算を確保します。例えば、栄養バランスの取れた食事や定期的な健康診断は、優先してお金をかけたいところです。
一方で、不要不急の支出や贅沢品は見直し、カットしていきます。「ここは削る」「ここは維持する、もしくは投資する」といったメリハリをつけることが、目標達成の鍵となるでしょう。
4. 小さな成功を積み重ねる
一気に大きな目標を達成しようとすると、途中で挫折してしまう可能性があります。例えば、現在の生活費が30万円であれば、まずは28万円、次に25万円といったように少しずつ削減していきましょう。「1カ月で○○円節約できた」「外食を減らして食費を5％カットした」といった成功体験を積み重ねることが大切です。
少しずつ家計を見直して、生活費を抑えていこう！
5人家族の生活費を20万円に抑えることは、かなりハードルが高いでしょう。無理な節約をして、生活が苦しくなっては本末転倒です。大切なのは、生活の楽しみや家族の健康を守りながら家計を整えることにあります。家計の見直しは、複雑で難しく感じられるかもしれません。改善点が見つけにくい場合は、ファイナンシャル・プランナーなど専門家のアドバイスを受けるのも一つの方法です。
経験豊富なファイナンシャル・プランナーに相談をするのもおすすめ
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家計調査 家計収支編（令和5年）
