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株でFIREしたいのですが…

個別株投資って難しいですよね。割安だと思って買った株が何年も上がらなかったり、業績が良いと思って買った株が突然下方修正を発表して暴落したり、ヒヤヒヤすることばかりです。本記事では、個別株投資の難しさや、試行錯誤するときのポイントをまとめます。

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

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株でFIREしたいのですが……

株の配当金を得てFIREしたいのですが……

先日、読者の方から以下の質問をいただきました。

「株で安定した配当金を得られるようにして、サイドFIREをしたいのですが、全くplusになりません。やはり、個別株は難しいのでしょうか」(60代)

個別株投資って難しいですよね。割安だと思って買った株が何年も上がらなかったり、業績が良いと思って買った株が突然下方修正を発表して暴落したり、ヒヤヒヤすることばかりです。

筆者は個別株投資を15年ほどやっていて、そこそこ資産を増やしてきましたが、2024年は失敗が多く成績がマイナスです。近年でマイナスになった年はなく無敗だったのですが、「油断大敵」ですね。

さて、今回はサイドFIREを目指すご質問者様にお答えして、個別株投資の難しさや、試行錯誤するときのポイントをまとめます。

個別株投資の難しさ

大前提として、個別株投資はとても難しいものです。個人投資家が100人いたら、個別株投資でインデックス以上のリタンを出せるのは全体の3~4%くらいだと筆者は推定しています。

学校のクラスで例えるなら、40人クラスで「1位」か「2位」くらいの成績ということです。とても競争が激しく、簡単に達成できるものではありません。

個別株投資で「平均以上のリターン」を出そうというのであれば、まずはこういった前提を踏まえて「クラス1位」を目指すだけの情熱があるかを自問自答すべきでしょう。

情熱がないのであれば、多分インデックス投資などで積立投資して、それ以外は労働に打ち込んで余力を蓄えることに精を出す方が良いかと思います。

個別株投資で失敗する3つの要因

個別株投資で失敗する要因はさまざまですが、筆者の経験上、多くの失敗は「貪欲」と「恐怖」、そして「評価基準の欠如」で説明がつくかと思います。

「貪欲」というのは欲張り過ぎることで、例えば大きなリターンを狙うあまり信用取引に手を出してリスクを取り過ぎたり、過去の急騰に惹かれて割高水準の株に手を出してしまったりすることを指します。

特に初心者のうちは「上がっている株=良い株」と錯覚しやすいこともあり、打ち上げ花火のごとく派手に上がっている株に手を出しがちで、これが大火傷につながることも珍しくありません。

派手な株は海外では「ロタリーストック(宝くじ株)」とも呼ばれており、ギャンブル性が高く、期待値もマイナスなこともあるので注意が必要です。

「人のいく裏に道あり花の山」という相場格言もありますが、本当に良い投資先は誰にも見つかっていない地味なものが多いですから、新聞やSNSで話題になることが増えてきたら、むしろ売り時と考えるのが合理的でしょう。

次によくあるのが「恐怖」です。株式市場では株価が下がり過ぎることもよくあります。ちょっと決算が悪いだけで株価が暴落したり、総理大臣がや金融政策が変わることで予想が外れるとパニック売りが膨らんだりします。

安過ぎる価格で株を投げ売りすれば、「あんたが売ったソコが底」となることも多いです。恐怖による投げ売りを避けるためには、嫌なニュースが出てきても冷静でいられるように普段からイメトレしておくのが良いでしょう。

最後が「評価基準の欠如」です。

評価基準というのは投資先の「良し悪し」を測る物差しのことで、例えば、「どれくらいのPERなら買っても良いか」とか「ROEはどれくらいあると望ましいか」といった判断材料のことです。

投資判断が上手い人ほど「良い評価基準を持っている」といえますが、ここの点がブレブレだと毎度毎度投資判断がぶれてしまいます。

極端かもしれませんが、評価基準がブレブレだと「昨日は良いと思った株だけど、今日は悪くみえる」ことさえあるので、確固たる基準を持つのは良い投資判断を下し続けるためにもとても重要です。

一般的な方法としてはDCF法やEP法を使って事業価値を推定し、事業価値に対して今の時価が明らかに安い銘柄が投資先候補になるかと思います。その上で、自分の個性や目的、リスク許容度などに応じて、どうやってポートフォリオを組むといいでしょう。

まとめ

以上をまとめると、個別株投資はそもそも難度が高く、かつ、「貪欲」「恐怖」「評価基準の欠如」などによって失敗することが多いです。

「なんとなく良いと思った株を、なんとなく買いたい時に買って、なんとなく売りたい時に売る」という取引を繰り返すと痛い目を見ますから、気をつけないといけません。

株式投資は「敗者のゲーム」とも呼ばれていて、大きなミスをした人から負けると言われています。

どでかいホームランを打てば勝ちというわけではなく、いかにして凡ミスを減らすか、エラーを減らすか、というところが勝負の分かれ目ですから、まずは「貪欲」「恐怖」「評価基準の欠如」といった大きな失敗要因から潰していくのが良いかと思います。

筆者としても今年の運用成績は振るわなかったので、この記事を書きながら身が引き締まる思いです。
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