感染症

Q. 妊娠中のマイコプラズマ肺炎。赤ちゃんへの影響・リスクは?

【医師が解説】妊娠中にマイコプラズマ肺炎に感染した場合、おなかの赤ちゃんへの影響が気になる方が多いと思います。母体の感染による胎児への影響、抗菌薬の服用の可否やリスクの有無について、分かりやすく解説します。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

Q. 妊娠中のマイコプラズマ肺炎。赤ちゃんへのリスクが心配です

妊娠中の女性

妊娠中の女性


Q. 「マイコプラズマ肺炎が流行していますが、妊娠中なのに感染してしまいました。お腹の赤ちゃんへの影響やリスクが、とても心配です。病院ではマイコプラズマと診断されましたが、薬なども処方されませんでした。薬が出されないのは、妊婦だからでしょうか? もし咳などの症状が悪化した場合も、薬は我慢した方がいいのでしょうか?」
 

A. 感染しても、胎児への影響はありません。服薬は主治医の指示に従いましょう

まず、妊娠中にマイコプラズマ肺炎に感染してしまったとしても、胎児への影響はありません。マイコプラズマは、主に気道に感染して増殖するウイルスです。母体が感染しても、胎盤を通じて胎児まで感染することはありませんので、その点はご安心ください。

妊婦さんに限らず、大人がマイコプラズマに感染すると子どもよりも重症化しやすい傾向は確かにありますが、軽症であれば抗菌薬などは不要です。自然治癒が期待できる感染症ですし、妊娠中の服薬はなるべく避けたいものでしょう。マイコプラズマ肺炎の治療薬も、100%安全とは言いきれないため、妊娠中は薬を使用しないことが多いです。

しかし症状がひどく、症状改善を優先する必要がある場合は、マクロライド系抗菌薬が処方されることがあります。マクロライド抗菌薬は、妊娠中でも比較的安全と考えられているためです。妊娠中の市販薬の服用や乱用はもちろん避けるべきですが、病院を受診し、妊娠中であると伝えた上で適正に処方されたものであれば、副作用についても心配しすぎることはありません。

服薬すべきかも含めて、自己判断は禁物です。重症化することのないよう、適宜医療機関を受診し、主治医の指示に従うようにしましょう。

さらに詳しく知りたい方は、「マイコプラズマ肺炎に妊婦や新生児がかかったら」「マイコプラズマ肺炎の症状・治療・予防法」をあわせてご覧ください。
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