自分が責められると思って逆ギレする義母
話の軸がずれて、どんどん自分が悪者にされていく感覚が強まっていく会話もあれば、相手がすぐに責められていると思い込んで逆ギレしてくるパターンもある。カナコさん(44歳)の義母がそのタイプだという。「義母はとってもおしゃべりなんです。私も仕事をしているので、小学生の娘は近所の義母の家で夕方まで面倒をみてもらっているんですが、娘を迎えに行くと、義母は玄関先でしゃべり出して止まらない。早く帰って娘と一緒に夕飯の支度をしたいので、様子を見ながら『じゃあ、そろそろ』と切り上げようとしても義母は察してくれない。
仕方がないから、『ごめんなさい、今日はちょっと急ぐので』と言ったら、『私のおしゃべりが長くて迷惑かけたわね。でもね、そもそもはあなたがこの話題を振ったのよ。なのにどうして私が責められないといけないの』って。
いや、別に責めてないし、私が振った話題でもない。話の軸がずれるのではなく、話そのものが何か別のものにすり替わってしまう感じなんですよ」
以前、大事な荷物が実家から送られてくることがわかっていたので、その時間帯に義母に家に来てもらえないかと丁寧に頼んだことがある。義母は「いいわよ」と来てはくれたのだが、結局、荷物を受け取ることができなかった。
自分が悪いのに……被害者意識全開
「時間指定しているから、たった2時間ですよ。しかも義母はその時間にいたんです。なのに受け取れなかったと。意味がわからないでしょ。だから『ここにいたんですよね。起きていたんですよね。どうして受け取れなかったんですか』『居眠りしてたとしてもいいんです。どうして受け取れなかったかが不思議でしかたないので理由を知りたいだけ』と言ってみたら、『ひどいわ』と義母は泣き出してしまった。私は本当に理由を知りたかっただけなのに」義母は息子(カナコさんの夫)に、ひどく責められたと泣きながら言いつけたという。さすがにカナコさんも腹が立ち、「いいです、頼んだ私がいけなかったんだから」と言った。すると義母はそれを聞きつけて、「人をバカにするのもいいかげんにして」と逆ギレした。
「理屈が通らないのは前からだから諦めているんですが、自分が悪いのに被害者意識全開、しかも最後は逆ギレって、人としてどうなのと思ってしまいました。だったら最初から留守番して荷物受け取ってあげると言わなければいい。引き受けておいてできませんでした、理由も明快ではありませんというのは通用しないでしょ」
こういうのは相性の問題なのか、それとも義母たちの会話のありようがやはり少し一般的ではないのか。
判断に苦しむところだが、カナコさんはそれ以来、義母とはなるべく接触しないよう心がけているという。「接しなければ誤解も怒りも生じないから」。それもまた賢明な判断なのかもしれない。