「私たちに必要ないカワイイの基準」として渋谷駅に、さまざまなポスターを展開、
など10項目が示され、「遠心」「求心」「中顔面」などルッキズムに関わる文字に取り消し線が引かれている。一般的に言われている「カワイイの基準」を羅列、それを打破していく方式だ。【遠心顔 / 求心顔】黄金比に対して顔のパーツがずれていることを表す言葉。
【中顔面 6.5cm】目の下から唇までの長さのこと。小顔かどうかを判断する基準。
【出目】眼球の位置が比較的前にある目のこと。
「カワイイの基準」を結果的に示していると炎上
ところが、掲出されたのが渋谷という若者が多い街だったため「美の基準を示されていることでかえって落ち込む」といった声が続出。本来の意図である「#カワイイに正解なんてない」が霞んでしまう勢いなのだ。正解などないと言われても、こうやって基準があるではないかと若い女性は思いがち。人のコンプレックスを刺激してしまったのだろう。
いくつになっても、コンプレックスはそう簡単になくならないし、「自分は自分。これでいくしかない」と折り合いをつけられないうちは葛藤するしかないのかもしれない。
「ルッキズムはよくない」と言われれば言われるほど、人は「美」への執着を増していくともいえる。それはもはや子どものころからの問題となっている。
小学生の「体毛事情に関する調査」(2024年4月、鈴木ハーブ研究所)によれば、子どもがムダ毛を気にし始めるのは小学校4年生から。3年生まではムダ毛手入れをしているのは5~6%だが、4年生になると24%がしていると答えている。6年生では28%だ。
きっかけは本人が周りと比べて気づいたり友だちにからかわれたり、あるいは親が気にするケースもある。
世界を見渡せば「脇毛をはやしたままの女性」が増えている印象もあるのだが、日本ではやはりそういう状態は流行らない。「見た目」を気にする傾向が強いのだろうか。
「足して2で割れば、ちょうどいい」と言われた私
美人過ぎる姉を持ち「見た目」に苦しめられてきたが……
親でさえ、冗談交じりに『足して2で割れば、ちょうどいいのにね』と言っていた。姉は私に優しかったけど、それがまた同情からくるものだろうと思っていたから、私は性格もひねくれていきました」
過去をそう語ってくれたのはルリコさん(43歳)だ。姉は大学を卒業後、就職した会社で役員の御曹司に見初められ、26歳で結婚していった。
「もったいないなあと思いましたよ。あれだけの美貌なら、もっと独身生活を楽しめばいいのにって。私は結婚なんて考えていなかったから、自力で一生暮らしていけるだけの技術をつけようと思い、大学を出てから、とある国家資格を取得し、それを生かして就職しました」
姉は夫の女癖の悪さに苦しめられ、2年で離婚した。キレイな顔が歪むほど悩んだようで痛々しかったという。その後、実業家と結婚して2人の子をもった。夫の酒癖の悪さやら義母の意地悪やら、さまざまな「理不尽」に耐えながら現在も結婚生活を維持しているという。
結婚しようと思った男性の、いい言葉