どうすれば資産は増やせる?
「50歳の役職定年で収入が激減します。年収300万円ぐらいになりますが、どうすれば確実に資産を増やせるか毎日考えています」(40代・会社員)
これから収入が減る、という不安は大きいですよね。筆者は個人事業主で、景気が悪くなって収入が激減した経験もあります。将来に希望を持てない気がして、暗い気持ちになってしまうんですよね。
とはいえ、悲観ばかりしていても人生変わりません。地に足をつけて努力すれば、人生、何とかなるもんです。絶対確実に資産を増やす方法はありませんが、本記事では、筆者が知る範囲で、できるだけ着実に資産の増やせそうな方法を考えていきます。
そもそも、資産とは何か?
資産を増やす方法について書く前に、まず「資産とは何か?」について説明します。家計を考える場合、個人が持つ資産は「人的資産」と「金融資産」に大別できます。人的資産とは、簡単に言えば「稼ぐ力」、つまり自分の時間や労働力です。
スキルや経験を使って収入を得ることができる能力とも言えます。私たちは、日々この人的資産を使って働き、収入を得ています。
一方、金融資産は、お金そのものです。
貯金や株式、投資信託など、持っているお金や投資から得られる利益を指します。金融資産は、直接的に稼ぐことはできませんが、賢く運用すればお金が増える可能性があります。
以上を踏まえると、資産を増やす方法は「人的資産の価値を高める」か「金融資産の価値を高める」という2つが考えられます。
資産価値を高める方法
1つ目が人的資産の価値を高めること。つまり、自分が持っているスキルや知識、経験を活かしてお金を稼ぐ力を磨くことです。これには、現在の仕事で昇進したり、新しいスキルを身につけて収入を上げる方法があります。
自分の技術を活かしてもっと給料の良い会社に転職したり、キャリアアップするために資格を取得したりなどの方法が考えられます。
また、空いている時間などがある場合は、その時間を有効利用して副業などを通じて新しい収益源を作る方法も考えられます。できることは山ほどあります。
2つ目が金融資産の価値を高めることです。
インフレが当たり前になりつつある今、現金を持っていても価値は目減りしていくばかりです。であれば、せめて一部は株式や不動産などのリスク資産に充てて利殖したり、純金などを買ってインフレに負けないように工夫する必要があります。
いうまでもなく、金融資産を増やそうとするとリスクが伴いますが、現金だけ持っていてもジリ貧でしょう。初心者のうちは「インデックス投資」などの手数料が安く無難な投資スタイルについて勉強してみて、腑に落ちたタイミングで取り掛かってみると良いかもしれません。
インデックス投資とは、市場全体に連動した投資信託やETF(上場投資信託)に投資することで、リスクを分散しながら運用する方法です。あくまで経験則ですが、株式投資のリスク・プレミアムは年4~6%と言われており、適正価格で投資している限り、長期では無リスク金利+4~6%くらいの年利回りが期待できます。
既に金融資産をある程度持っているのであれば、有効利用を考えると良いでしょう。
重要なのは、リスクを取り過ぎないことです。投資に慣れないうちは、まずは、インデックス投資など手堅い方法から始めてみるのが無難でしょう。少しずつ経験を積んで、投資の感覚をつかむと良いと思います。
投資に慣れてきたら、個別株投資などで、さらに低いリスクで高いリターンにつながりそうな投資先を、自分で目利きしてみるのも良いと思います。
効率よく資産価値を伸ばす
ここで少し立ち止まって考えてみましょう。ご質問者さまの立場で、「これから1000万円を貯めて、年間40万円の収入を得る」のと、「何かしらの技能を身につけて年収を40万円増やす」のでは、どちらが現実的だと思いますか?
どちらが現実的かは人それぞれでしょうが、一般論としては「スキルを身につけて稼ぐ力を高める」方が、てっとり早いかと思います。
株式投資など金融資産を運用してみると分かりますが、「お金でお金を稼ぐ」のは思った以上にスローペースです。1000万円の資産を持っていても、配当利回り4%なら年間40万円の収益にしかなりません。
投資の神様バフェットも「最高の投資先は自分自身」というくらいですから、まずは稼ぐために自分を磨くのが先決かと思います。その上で、金融資産を持っている場合は、眠らせずに有効利用すると良いでしょう。
長期的なライフプランを持って、無理せず着実に取り組んではいかがでしょうか。