女を「下に見る」男性の多さに驚く
年齢的なこともあるのだろうが、50代、60代以上の女性たちがパートナーや異性の友人を求めようとした時、同世代の男性たちの「考え方の古さに驚く」という声は多い。「女に言われたくないという思いがにじみ出ることがあるので、そういう時は『会話を続けるのは無理ですね』と、私もさっさとデートを切り上げます」
カズコさん(61歳)は苦笑した。還暦を過ぎているとは思えないほど外見も身のこなしも若々しいカズコさんは、ダンスのインストラクターをしているという。
「生徒さんは主に同世代なのですが、レッスンだけだとみんないい人だし、明るくて楽しいんです。でもある時、私を囲んで飲み会をしようということになり、男女問わずみんなで集まったら、彼らの失言オンパレードに女性陣はびっくりの連続でした」
そもそも、男性たちは飲み物を女性から注がれるのを待っている。最初だけはと女性たちも注いだものの、その後は料理を取り分けてもらうのを待ったり、「店の人にビール追加って言ってくれる?」とまるで部下を使うように女性に指図する男性まで現れた。
女性が飲み物を注ぐのは当然?
「さすがに私、ムッとしてしまって『皆さん、女性に飲み物を注いでもらおう、料理を取り分けてもらおうとしないでください。男性が女性に取り分けるくらいでないと、今どきモテませんよ』と冗談めかして言ったんです。その時は雰囲気も悪くなかったんですが、そのうち酔っ払う男たちが現れた。『うちの妻は、結婚した時より20kgも太った。女として見られるはずがない』とまで言った男に、私は『奥さん、ストレス太りじゃないですか。あちらだって夫を男として見てないでしょう』と言ってやりました。女性陣から拍手が出ましたね」
なんとか雰囲気をごまかしながら、さっさと一次会で撤収。その後、3人の女性とカズコさんはお茶を飲みながら、「レッスンの時とまったく違う男たちの素顔を見ましたね」と盛り上がった。
「3人のうち2人は結婚しているんですが、『うちの夫もあんな感じ』と顔をしかめていました。私は家庭の事情で結婚しそこなって、この年齢になってしまったんですが、まあ、それもよかったのかなとさえ思いました」
今後も一人だと寂しいなと思っていたのだが、結婚してストレスを抱えるくらいなら一人のほうがいいという結論に落ち着いたという。
「もちろん、女性を下に見ない男性がいることも知っています。そういう人と巡り会えたら、結婚はともかくパートナーとしてそばにいたいとは柔軟に考えていますけどね」
一人の寂しさは、相手のいるストレスよりマシ。大人の婚活をする女性たちの中には、そう思い始めている人も少なくないのかもしれない。