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プロ野球選手はどのように資産運用し、どういった保険に加入するのか、説明していきます。
一言でスポーツ選手といっても、競技によって活動の仕方や収入を得る方法は異なります。例えば、
- 野球やサッカーのようにプロのリーグやシステムが確立している競技
- 陸上競技のようにプロのリーグがなく、日本選手権、世界選手権、五輪といった大会での活躍を主な目標に活動する競技
- 競馬・競艇・競輪などのように公営ギャンブルに基づく競技
私は各分野のトップ選手にお客さまがいるのですが、今回はやはり多くの人が興味のある「プロ野球選手」について記載していきます。
プロ野球選手の性質
日本におけるプロ野球選手は、一般的には日本野球機構(NPB)所属の12球団に所属する支配下・育成選手のことをいうと思います。入団に際してはドラフト指名・トレード・トライアウトなどがありますが、非常に狭き門なのは間違いなく、学業の世界のような偏差値で表すなら野球偏差値95くらいの方々だといっても過言ではないです。私が担当するお客さんに限った主観ではありますが、性格的には朗らかで非常に「いい人」が多く、小さいころから真面目に野球をやってきた野球少年がそのまま大人になったような素朴な人ばかりです(子どもっぽいということではありません)。また、プロにまで上り詰める人たちなので頭もかなり良く、空気が読めて感じが良く、カラッとした性格の選手が多いと思っています。
また、これはどのプロスポーツ選手にも言えることですが、プレッシャーに対して異常に鈍感というか、私からすると理解ができないくらいにプレッシャーに強いように感じます。
仲のいい選手が公式戦でエラーをしたり結果が出なかったりしていたとき、見ているだけの一般人であるこちらが勝手に落ち込んでしまうくらいなこともあります。しかし、本人たちはケロッとしていて「まあ次に取り返せばいいから」と本気で思っているような感じです。来年選手としていられるかどうか分からないプロの世界で毎年戦っているので、常人では耐えられないような強いプレッシャーを淡々と超えていくには、このようなメンタルが必要なんだろうな……と感じています。
プロ野球選手の報酬
そんなプロ野球選手の報酬については、ピンキリです。ドラフト上位で大きな契約金をもらい、そのまま活躍して数年で億の年俸までいくようなスター選手がいる一方、契約金があまりない育成選手などからたたき上げて何とか支配下でやっていく選手、年俸1000万~3000万円のレンジで毎年準レギュラーとして頑張っている選手、年俸1000万円以下で2軍からなかなか上がれない選手などさまざまです。球団の社員ではなく、球団と毎年契約する個人事業主ですので、球団の社会保険に入っておらず、国民健康保険に入っていたりします。球団や個人のスポンサーがついて、野球道具などは支給されるようですが、それもチームや選手それぞれのようです。
プロ野球選手は資産を自分で管理している?
プロ野球選手本人は、自身の「収入」と「経費」について、あまり詳しくないことが多いです。お金に関する管理者は、若い選手は「親」が出てくるケースがほとんどです。結婚したら奥さまが管理し、選手本人は野球に専念という形です。
逆に選手本人が管理しているケースでは、有名選手の話などで出回っているように「○○の詐欺にあってだまされた」ということも起こっています。最近でも、とある選手が、超高利回り系の詐欺(破綻して有名になったもの)や、不動産がらみの投資詐欺の被害に遭ったということを耳にしました。
プロ野球選手に対するコンサルティング
こうしたことから、資産運用についてはプロの専門家にコンサルティングを依頼するケースが発生してきます。具体的なコンサルティングでは、「収入からどれくらいの金額を資産運用に回すか」「どうやって貯蓄していくか」などに関して細かくお話しします。内容に関しては一般の富裕層と同様になりますが、上記のような性質やバックグラウンド、今後のキャリアパスがわかっているかどうかがコンサルティングの成否に大きな差になります。
例えば、年俸で2000万~3000万円以上くらいのレンジ以上かつ将来性によっては、会計事務所と組み、法人設立を勧めるなど、コンサルティングを進めていきます。
法人を設立した場合、大きなメリットとしては社会保険への加入があります。国民健康保険と違い、標準報酬月額の設定で社会保険料を大きく抑えられる可能性があり、それを目的に法人設立される野球選手は多いと思います。
また、法人化していれば保険を使った節税や利益の繰り延べができるだけでなく、経費化できる範囲が大きく広がるという部分も、メリットを感じやすいところでしょう。保険としては大きな保障を短期間で買い切ってしまうようなご提案をするケースが多いかと思います。
お客さまとして野球選手がいると…
余談ですが、お客さまとして野球選手がいると、その選手以外あまり見なくなってしまい、野球そのものの興味の形がまったく変わってしまいます(苦笑)。ペナントシーズンに観戦に行ったらナインのうち2人も私のお客さまだったということも……。仕事を超えた楽しさを感じられる時も多いと感じます。ただ、お金や資産運用・保険に関しては私のほうが完全に「プロ」ですので、対等にコンサルティングをするようにしています。