人間関係

アラ還が抱える「老い」の恐怖…59歳「老いたシワだらけのくすんだ女」が若見えにこだわる理由(2ページ目)

ネット上では、男女問わずタレントや有名人が「若く見えること」をやたらと持ち上げる風潮が見受けられる。人はなぜ、「若く見えること」に執着するようになったのだろうか。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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妹に「年齢相応を受け入れたらいい」と指摘された

モモエさんには、2歳年下の妹がいる。妹は結婚してひとり娘をもうけたものの、離婚してシングルで仕事を続けてきた。

「この妹がまったく見た目にこだわらないタイプなんですよ。テニスが好きで年中日焼けしていて。でも全然気にしてないのが不思議で。妹は私が見た目ばかりに固執してると言うんです。『年齢相応を受け入れればいいじゃない。エステや注射に頼るくらいなら、そのお金と時間を別の楽しみに使えばいいのに』って。女としていつまでも若くいたい、きれいでいたいというのは間違いなんでしょうか」

間違いではなく、それぞれの価値観だろう。若さに固執する人もいれば、年齢を受け入れて今を楽しもうとする人がいるということだ。

見た目さえ若ければいいのか?

「妹は、60歳が55歳に見えてもたいして意味ないよねって笑うんですよ。シワもシミも白髪も増えていくだけなんだから、そんなことに抗っても追いつかない。だったら今の状態を保てるようにスポーツでもしたら。これからは見た目より、脳と体を鍛えたほうがいいわよって。でも私、運動苦手なんですよねえ」

運動して筋肉を増やすと認知機能の衰え防止に効果があるとされている。確かに見た目の若さより、脳と体を鍛えたほうがよさそうではある。

「でも私、やっぱり見た目に若くいたいんです。ときおり夫と出かけることがあるんですが、『奥さん、若いですね』と言われると夫もうれしそうにしてるし……。そういうことを言うと、また妹に『自分の尺度より世間の評価のほうが大事なの? 誰のために生きてるの?』と責められるんですが」

アラ還の女性たちにとって、確かに「老い」は恐怖だろう。だが、人はいくら頑張っても若い時代には戻れない。エステも注射も重要かもしれないが、一方で、実年齢から目を背けていては今を充実させることはできないのかもしれない。
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