家事

きれいが続く掃除テクとは? 羽田空港を9年連続「世界一清潔」に導いた“清掃のカリスマ”に聞いた(2ページ目)

羽田空港を世界一清潔な空港へと導いている“清掃のカリスマ”新津春子さん。数々のテレビ番組に出演し、著作も多くある新津さんに、家の掃除を最高に上手にこなすテクニックを伺いました。

毎田 祥子

執筆者:毎田 祥子

家事ガイド

1枚のタオルで清潔な暮らしが始まる

タオルを使った掃除についての書籍『清潔な暮らしは1枚のタオルからはじまる』(朝日新聞出版)も出版されている新津さんは、拭き掃除に薄手のフェイスタオルを使うことを勧めています。

厚手でなく薄手のタオルを使うと、リモコンの細かい部分やあちこちの凹凸を指先の感触を確かめながら拭くことができるので、洗ったときに絞りやすいという利点も。安価なものでOK! 乾きやすいのもいいですね。

場所ごとに色分けし、「湿り拭き」で! 

タオルを8等分すると手のひらにぴったりサイズ!端が集まった側を親指側で持つと、タオルがバラ つかず、全体に力を入れて拭きやすい。

タオルを8等分すると手のひらにぴったりのサイズに! 端が集まった側を親指側で持つと、タオルがバラつかず、全体に力を入れて拭きやすい

家庭では、場所によって掃除用タオルの色を使い分けているそう。一気に掃除して回り、最後にまとめて洗っても、どれがどこのものかすぐに分かるので、日々の掃除が効率的になります。

拭き掃除におすすめの「タオルの状態」は、濡れすぎず乾いてもいない「湿り拭きタオル」。水に濡らして絞った水拭き用のタオルと乾いたタオルを用意して、その2枚を重ねて丸め、水分を乾いたタオルの方に移して作ります。

  “適度に湿った状態になり、軽い汚れやうっすらとついたほこりの拭き掃除
などに便利。拭き跡が残らないので、から拭き不要になります。
NHKまる得マガジン 羽田空港流 世界一のおうち掃除術』(NHK出版)より”

タオルは8つ折りにして使えば、表裏で16カ所に使えるので洗う回数が減ります。

掃除時のフォームの大切さ

腕だけを振るのではなく体全体を移動させながら拭くことで、力を使わず手への負担も少ない。

腕だけを振るのではなく体全体を移動させながら拭くことで、力を使わず手への負担も少なくなる

タオルの持ち方は、自然体の疲れにくいフォームで。8つ折りにしたタオルの「端が集まった側」を親指側にして、親指と人差し指で挟むようにして持ちます。そうすることで全体に力を入れて拭きやすいそう。

例えば壁のような広い面を拭くときは、腕だけを振るのではなく、タオルを壁に当てた状態で体全体を移動させれば自然と腕もついてくるので、その動く力を利用して拭きます。

「自分の体が健康でいられるやり方で」とおっしゃる新津さん。誰かに教わったわけではありませんが、長く仕事をしているうちに腰椎のヘルニアになってしまった経験から、健康第一の掃除術を提唱しています。

「自分で試行錯誤しながら体得したんですよ」。

きれいな家の状態を維持するためには?

新津さんはご自宅で、毎朝1時間の掃除を欠かさないそうです。そう聞くと、ものすごく本格的な掃除を想像して、まねするのは不可能だと絶望してしまいそうですが、ご安心を!

朝の掃除では、ドアノブなど決まったところを拭いて回るそう。窓からドア、次のドア、その次のドア、そして玄関へ……といった具合です。家の中で一番汚れやすいのが、これら手で触る場所だからです。これはまねできそうです!

「苦にならないのは、動きを習慣化しているからですよ」。コロナ禍でもこうした掃除の仕方が役に立ったといいます。習慣化できれば、面倒だと思うよりも先に、拭き掃除を終えられそうですね。

実際は、ドアノブだけでなく、家中のあちこちも拭いていると言いますが、日頃から「誰がどう動いてどこが汚れやすいか」をよく観察していて、そのときに必要だと思われるところをきれいにするのだそうです。

次ページでは、毎日掃除を見ている家族の変化や新津さんの近況についてご紹介します。
 
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