人間関係

突然の老老介護で「これが老後か」と愕然とする日々…70歳まで働く時代をどう生きるか?

夫婦で老後の計画をたてたといっても、「定年後も働く」ということを決めて安心してはいけない。定年も過ぎれば、認知症やその他の病気、そのほかの理由で、どちらかがいつ働けなくなるかはわからないのだ。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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今の時代、いつからが「老後」なのだろうか?

今の時代、いつからが「老後」なのだろうか?

いつからが老後なのかは人によるのかもしれないが、仕事を辞め、夫婦2人きりになったとき、「これからどういうふうに暮らしていこうか」という話し合いはなされた方がいい。だが、その時点ですでに話し合いすらできない関係になっていることもある。夫婦の老老介護から相手を殺める事件も目立つ今、60代前半が鍵になるのではないだろうか。 

「老老介護」夫の介護に鬱々とする私

「夫は77歳、私は68歳。70歳で仕事を辞めてから、夫は一気に老け込みました。2年前には転倒して骨折、そのころから認知症の症状が出てきて、最近は夜中に家を出て徘徊しているところを警察に保護されました。初めてのできごとだったので、私も気が動転してしまって……」

マナミさんはそう語った。夫が転倒したのは、介護認定を受けようとしていた矢先だった。だが夫自身は、認知症を認めようとしないし、もともとわがままだったのがさらに傍若無人となっている。

「先日も近所のコンビニで大声を出して店員さんを脅したらしくて。近所には認知症なのでと言って回っています。この辺りは住宅街で、昔から住んでいる人たちが多いので、皆さんに支えてもらうしかなくて」

要介護となってたとえヘルパーさんが来てくれたとしても、本人が受け入れないとなると話はややこしくなる。今、マナミさんはなんとか夫の気持ちを穏やかに保ってもらおうとしているという。

老後のことを夫婦で相談していなかった

「こうなる前に、老後のことをきちんと話し合っておけばよかった。そう思います。夫は生涯現役で働くと言い続けていたし、体も丈夫だったので、なんとなくこのまま暮らしていけるような気がしてしまった。仕事を辞めたのは、自らではなく辞めさせられたようなもの。性格はもともと頑固なんですが、そこに妙な攻撃性が出てきてしまった。あの時点で病院につれていくべきでした」

2人の子は遠方にいる上、それぞれ子育て中で大変なことが分かっている。だからこそ頼れない。近所の人が助けてくれることはあっても、自分が動かなければ自治体から大丈夫ですかと声をかけてくれるわけではないのだ。

「どちらかにちょっとおかしなとことがあったら、すぐに病院につれていくとか、かかりつけの医者を近所に作っておくとか、いろいろできることはあったはずなんですが、私もずっと働いていたので日々の多忙さにかまけてしまって」

後悔先に立たず。早く自治体とつながって夫への対処を考える必要がありそうだ。

>どちらかが働けなくなることも想定して
 
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