そもそも「せこいことを言うな」という考え方
「どうしてそこまで食いつくのかわからない」という男性も
そう言うのはマサトさん(40歳)だ。世の中の多くのことは寛容に見過ごさなければ、精神的に疲弊してしまうと笑った。
「近所に店があったら妻と行きたい。パートナーが半額になれば、トータルで支払額が減るんだからありがたいですよね。文句を言う筋合いではないと思うけど」
女性専用トイレが減っているほうが大問題
マサトさんの妻は、むしろ「あちこちのトイレから、女性専用が減っているのがおかしい、そのほうが差別だと言っている」そうだ。「妻が言うには、それこそ不当差別だと。女性はそもそもトイレに男性より時間がかかる。それなのに、とあるチェーン店では男性用と男女兼用しかなかったんだそうです。どうしてそういうことになるのか意味不明だと怒っていました」
性の多様化が浮き彫りになり、それが社会のゆらぎになりつつあるのかもしれない。トイレ問題は解決策が必要だが、多様化する性と、それについて煽る人々につられて諍(いさか)うのは納得できないと彼は言った。
「うちは小学生の子がふたりいるので、これを機会に、家族でちゃんと差別とは何か、どういうものが許されないのかをちゃんと話し合ってみようと思っています。僕自身もアップデートしないと乗り遅れちゃうから」
今の時代、穏やかに、だが適格に社会を検証していく姿勢こそが大事なのかもしれない。