亀山早苗の恋愛コラム

セクシュアリティーは千差万別だから…「恋愛感情を持たない」彼女がカミングアウトした理由(2ページ目)

セクシュアリティーには様々な形がある。自分を見つめてみると、他者に恋愛感情を持たない「アロマンティック」他者に性的に惹かれない「アセクシュアル」ということもあるだろう。どんな形であれ他人のセクシャリティにあれこれ言う世の中であってはならない。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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38歳「性的欲求は異性、恋愛感情は女性に向く」私

分かりあえない人もいる

生きづらさを抱えながらも、「私を生きていくしかない」

「私はちょっと特殊みたいなんです。性的な関係は男性と、でも気持ちは女性に向くから。男性に対して恋愛感情は特にわかないんですよね。相手のあることなので、むやみに関係はもたないようにしています。傷つけたくないから。ある意味で生きづらい」

ナオミさん(38歳)は、なかなか分かってもらえないけど、と少し笑った。性的欲求を満たすためと割り切り、相手も納得していたはずなのに「付き合ってるよね、オレたち」と言われて面食らったこともある。

「あんたは規格外」と同性愛者に言われたことも

好きな女性ができて悶々としたあげく打ち明けたら、受け入れてはもらえたものの、彼女に性的欲求を持てなかったことでナオミさん自身が傷ついたこともあった。

「同性愛者でも異性愛者でもバイセクシュアルでもない。同性愛者から『あんたは規格外』と言われたときは、ちょっとショックでしたね。でもしかたがないんです。私は私を生きていくしかないから」

ナオミさんもまた、親しい友人たちを大事にしている。家庭を持つつもりもないので、お互いに分かりあった友人は大事な家族みたいなものだから。

「いつかそういうセクシュアリティーがこんがらがった人たちと繋がって、近くで生きていけたらいいなと言う人もいるんですが、私はわざわざそうやってカテゴライズする必要もないと思っているんです。

セクシュアリティーなんて関係なく、仲よくなれる人がいるのが理想です。ただ、仲よくなったその先に、そういうセクシュアリティーの問題が出てくることもわかってはいるんですが」

世の中、異性愛者もしくは同性愛者だけではないのだ。恋愛感情と性的欲求が、別々の性に向く人もいることを、少しだけ心に留めておいてもいいのかもしれない。人は本当に千差万別、だれもが唯一無二の人間なのだ。
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