料理好きな夫を監視してダメ出しする妻
「うちは分担というよりは、その日によって妻がメインで家事をするか僕がするかをなんとなく決めて動くパターンが多いですね」コウタさん(40歳)はそう言う。9歳のひとり娘がいる。コウタさんはシフト制で仕事をしているため、自分が家にいるときは家事を引き受けることにしているのだ。
「妻がいなければ自由に家事ができるんですけど、妻が帰宅しているときに夕飯の支度をしようとすると、そばにいてあれこれ口を出すんですよ。僕は料理が好きだし慣れているし、娘は『ママよりパパのほうがおいしい』と言ってくれている。
それなのに、菜箸の使い方とかおたまはそっちじゃないとか、細かいことをグジグジ言うんですよね」
キッチンはきみだけのものじゃない。各自が使いやすいように使えばいいんじゃないか、それぞれやり方が違っても、最終的においしく食べられればいいんだからと言ったこともある。専業主婦の母を持つ妻は、「例え働いていても、キッチンは妻が支配するべき場所」と思っているのではないかとコウタさんは言う。
「狭いキッチンで顔を突き合わせるのも嫌だから、夕飯はオレに任せて、きみは何か違うことをやればといつも言うんです。でも何か気になるんでしょうね、リビングで娘と話しているのに、すぐにキッチンを覗きに来る。手抜きをしていないかと監視されているようで、あまり気分はよくないです」
手抜きを許さず完璧を求めすぎる妻
任せるなら完全に任せてくれたほうが、やりがいもあるのにとコウタさんはつぶやいた。そもそも家事なんて、できる限り手を抜いて、今日やりきれない家事は明日に回せばいいと妻に言うと、怒られるそうだ。その日の家事はやりきらなければと妻は頑張りすぎるんですよ……というのがコウタさんの言い分だ。
共働きなら、家事も助け合っていかなければ家庭は回らない。自ら家事をやり、相手に任せるべきところは任せる。細かいことには目をつぶり、相手のやり方を尊重する。完璧を求めてはいけない。それがふたりの信頼関係を育むことにつながるのではないだろうか。