妻たちは言う、「なぜ、自発的に家事をしないのか?」と。
一方の夫たちは、「どうして夫のやることにそれほど文句ばかり言うのか」と不思議らしい。実際、どういう温度差があるのだろうか。
帰宅するや、座る暇もなく家事をこなす妻
「9歳と6歳の男の子がいます。上の子は放課後になると学童へ、下の子はまだ保育園です。夫と連絡を取り合って、どちらが迎えに行くかを決めます。直帰できるほうが、そのまま家事に突入するのが決まりなんですが、夫はいくら言っても家事が苦手。段取りが下手なんですよね」ヒロコさん(43歳)は、自分が直帰した場合は、座る間もなく家事に着手すると言う。子どもたちが小さいため、何を差し置いても夕飯の支度が優先される。
「炊飯器はタイマーでしかけていきますし、朝の段階で夕飯になりそうな作り置きおかずは冷凍庫から冷蔵庫へ移しておく。だからメインを作れば済むのですが、お味噌汁は作りたてがおいしいから、時間を見ながら作り始める。その間に洗濯物を畳んだり、子どもの予定を確認したり、郵便物をチェックしたり。いろいろやることはありますよね」
帰宅するや、リビングでぼうっとする夫
夫は子どもを連れて帰宅すると、着替えてリビングにやってきてぼうっとしていることが多い。場合によっては先に子どもたちを風呂に入れてもいいのだが、それもせずにソファに沈み込んでいるのだ。「夕飯の支度を手伝うか、次男を風呂に入れるか、どっちかやってよと言うと、ようやく動き出す。キッチンに来るのはいいけど、何をしたらいいかわからず、ぼうっと立ってる。今日のメニューは伝えてあるんだから、作り置きを皿に入れるとかしてよと、こちらもつい声が大きくなるんです。
するとちょうどキッチンにやってきた長男に『ママは怖いねー。パパ、また怒られちゃった』と言いつけてる。そういうのを見ると、イラッとするんですよ」
コロッケが食べたい、などと子どもが突然言い出すこともある。どうしても変えられない理由がない限りは、もちろん子どものリクエストは受けつけるとヒロコさんは言う。
「じゃあ、冷凍のコロッケを揚げようかということになりますよね。そこで夫に頼むと、冷凍庫をかき回すようにして探してる。ここにあるじゃない、目の前に! と、また私が声を荒げる。どうせならコロッケ揚げながらキャベツの千切りも作っておいてよと言うと、そんな2つ同時になんてできないよって……」
味噌汁を作りながらコロッケを揚げて、キャベツを千切りすることくらい、どうってことないでしょとヒロコさんはつぶやく。
「どうしてあんなに段取りができないんでしょうね。何度も同じ状況になっているのに、学ばないですよね」
家事はとにかく工夫と段取り。さっさと終わらせないと、睡眠時間が削られるのだからとヒロコさんは、大きくため息をついた。
>結局妻の気に入るようには家事はできない